最近、「ペインクリニック」という名称をつけた病院が増えています。「ペイン」は「痛み」、「クリニック」は「診療所」を意味し、様々な病気によって起こる痛みやしびれを、神経ブロックを主に用いつつ薬物療法も使いながら治療します。
対象は頭から足先までの全身の痛みで、首の痛みや腰痛、肩関節、膝関節など、整形外科の領域の痛みの治療も行います。そのため、どちらを受診すべきか迷う方もいるのではないかと思います。しかし、整形外科の領域の診断・治療に関しては、やはり整形外科のほうが経験豊富で、色々と熟知しています。
原因が分からなかった時はペインクリニックを
例えば、腰痛や膝関節痛の診断では体を診たあとに、骨や関節の異常を調べるためX線検査やMRI検査を行います。X線検査では、そのほかの骨の変形を見つけたり、がんの転移を見つけたりすることがあります。整形外科の領域であれば、骨・関節・筋肉・神経のスペシャリストである整形外科を受診したほうがいいと思います。
逆に、ペインクリニックを受診したほうがいいのは、整形外科で病気の原因が分からなかった時です。ほかにも、原因が分かっていても整形外科では痛みが取り切れない時、ずっと痛みが続くような時は、ペインクリニックを受診するといいでしょう。
もちろん、顔面や特殊な神経痛といった整形外科の領域外の痛みは、最初からペインクリニックを受診することを選択する場合もあります。
監修/井尻慎一郎先生
井尻整形外科院長。医学博士。著書・監修書に『痛いところから分かる 骨・関節・神経の逆引診断事典』(創元社)、『筋肉のからくり 動かし方を変えるだけでコリと激痛が消える!』(宝島社)などがあるほか、論文、講演、テレビ出演などで活躍中。井尻整形外科HPは下記。
https://ijiri.jp
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