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JRA重賞『有馬記念』(GⅠ)映画評論家・秋本鉄次の“ざっくり”予想!

(C)JRA
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先週の朝日杯は、3、1、4番人気の比較的堅い決着で、馬連&3連複ダブル的中とはいえ、それぞれ1060円、2350円と配当やや安めでは、ほとんどチャラ…でもいいんだ。

野球で言えば(すぐ野球を例にしたがるのはオヤジの証拠らしいが)、ホームラン連発後の次打席で四球…みたいなもの。時にはイーブンで凌ぐのも長く続けるコツ、と得心した。今回、3連単なら万馬券だったが、ボクはあまり3連単は買わないし、たとえ先週買ったとしても、多分アタマはセリフォスとダノンスコーピオン固定だろうから、武豊ドウデュースが1着ではハズレていた可能性大。身の丈に応じた馬券を…が最近の正直な心情で、随分ジジ臭いのだが、実際ジジイなんだから仕方がない。何せ、来年のダービーの頃は〝古希〟だもの。

一応、先週の回顧から始めよう。「ルメール騎乗で人気のジオグリフは連勝中だが、千八がネックだし、3か月の休養明けもこのレースに不向きなようで軽くヤバい」と断じた通りになったが、そのあとの「それでも全く無視はできず、一応ヒモにはね」が余計。チャンピオンズCのソダシのようにバッサリできなかった自分の根性ナシを恥じた。〝映画関連馬券〟では、取り上げたダノンは3着に粘ったが、穴馬筆頭のオタルエバーは12着に沈没。勝った武豊はこれで未勝利GⅠは、まだGⅠ昇格後の歴史が浅い、一年の掉尾を飾るホープフルSのみ。勢いに乗って「リーチ一発ツモで行きたい」と武豊は意気軒昂だが、そうは問屋が卸すのか。

その前に、暮れの大一番たる有馬記念が待っている。これはもうエフフォーリア堅軸だろう。負けたのがダービー鼻差のみで6戦5勝なら文句ナシ。鞍上の若武者・横山武も〝栄誉が人を創る〟というが、すっかりGⅠ騎手としてカマボコ(板についてきた)。1番人気もこの10年で8回馬券になっている。相手はやっぱりクロノジェネシス。今年の有馬で〝グランプリ4連勝〟して、引退式へという青写真に無理は感じられない。本来は、クロノと言えば主戦・北村友のイメージだが、現在負傷欠場中では叶わず、ルメールに乗り替わりなら仕方がない。唯一不安は外国帰り(凱旋門賞7着)という点か。

有馬記念といえば“こじつけ”馬券!

個人的に有馬のテーマは〝牝馬が来るか否か?〟である。昨年は前記クロノの2着に、わが〝心の年度代表馬〟サラキアが突っ込んで馬連万馬券を的中させただけに、今年のサラキア的穴馬はまずアカイイトだろう。エリ女杯で穴を開け、勇躍有馬へ、のステップが昨年のサラキアと酷似し、鞍上の幸もご贔屓だし(オタルエバーの借りを返してね)。あとは横山典シャドウディーヴァも、2千までの馬のような気もするが、少々買いたい。典、武、和の横山一家独占ってこともアリ? クロノと牝馬同士の〝レズ馬券〟が今年も炸裂するか? 他にも牝馬はいるが、この3頭のみチョイスする。

あとは、菊花賞馬で、前記の横山和に手替わりタイトルホルダー、和田に手が戻る長距離砲ディープボンドまで。パンサラッサの大逃げは? まさか、キタサンブラックじゃあるまいし…。ついでに、今月GⅠ制覇で勢いづく騎手の松山(キセキ)、M・デムーロ(ステラヴェローチェ)、武豊(アリストテレス)、もバッサリ切る。いいのか? いいのだ!

〝映画関連馬券〟では、アカイイトから、今年公開の『いとみち』はどうか。青森を舞台に津軽三味線を習うメイド喫茶女子の生き方を描いた佳作だ。ヒロインの駒井蓮が〝大型牝馬〟のように素敵で、父親役の豊川悦司、熟女メイドの黒川芽以も好演だった。今年の邦画選考でテンに入れたほど気に入っている。一方、有馬だから、こじつけ買いもあるよ。〝クロ〟ノジェネシスと〝アカ〟イイトで黒&赤の色彩馬券、〝エフ〟フォーリアからシャドウ〝ディー〟ヴァや〝ディー〟プボンドでF&Dのアルファベット馬券。アカイ〝イト〟とタ〝イト〟ルホルダーで糸&糸馬券とか(これは縦目か、少し買っとく?)。他にも〝今年の漢字〟は『金』だから、ゴールドシップ産駒やオーナー金子氏の馬が来る? ボクは買わないけど。

最終的な買い目は、基本がエフとクロノの軸2頭。2騎とも馬券圏内から外れることは考えにくい。まずは⑦⑩の馬連を厚目で、⑦⑬、⑩⑬もやや厚く。⑦から、⑩から各々⑤⑫⑯へ。3連複は⑩から⑤⑦⑫⑬⑯へ強弱付けて。⑦⑬縛りで⑤⑫⑯へ。あと前記の糸&糸馬券⑬⑯もね。まだホープフルSもあるが、今週も的中し、当コラムの21年有終の美を。来年もよろしくお願いします!

秋本鉄次
映画評論家。〝飲む・打つ・観る〟〝映画は女優で観る〟をモットーに、娯楽映画、中でも金髪女優の評論にかけては業界随一。著書に『パツキン一筋50年 パツキンとカラダを目当てに映画を見続けた男』(キネマ旬報社)など。

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