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「イチロー監督」来オフ誕生へ! オリックス“受け入れシフト”移行着々

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イチロー(C)週刊実話

25年ぶりにパ・リーグの頂点に立ちながら、ヤクルトに敗れて日本一を逃したオリックス。

これに、仰木彬監督の薫陶を受けたOB連が「来オフ、イチロー監督」で一斉蜂起。本人も受諾に舵を切り、新年を前に大阪中が沸いている――!!

オリックスが1月1日付で発令したフロント改造人事が「イチロー監督受け入れシフト」として注目を集めている。宮内義彦オーナーの意を受けて、球団のレジェンド、イチロー氏に最も近い長谷川滋利シニア・アドバイザーを副GMに緊急抜擢。福良淳一GMと事実上の二頭体制へと移行するからだ。

在阪のスポーツ紙デスクが次のように解説する。

「来オフの〝イチロー・オリックス始動〟へ向けた土ならしが託されたミッション。長谷川氏はイチロー監督誕生の鍵を握るとして、常に動向が注目されてきた人物。あの天才打者がリスペクトしていると公言し、周囲に『(監督要請を)受ける際は、シギー(長谷川氏)は欠かせない』と話していた。その腹心が動いた。これまでチームの編成を担ってきた福良GMと長谷川氏とがチームの舵取りをしていくことになる」

長谷川氏は立命館大から1990年のドラフト1位でオリックスに入団し、通算57勝。97年からメジャーリーグに移り、エンゼルスとマリナーズで通算9年間活躍し、イチロー氏ともマリナーズでプレーした。語学堪能で引退後は日本球界には戻らず、現地で不動産関連のコンサルタント会社を経営。しかし、今回の人事で「イチロー監督誕生」へ向けた先乗り役として、生活の拠点を日本に移すという。

監督招請の障壁だった年俸問題

「年齢は長谷川が5歳上だが、ともに仰木監督の下でオリックス優勝時の代表的存在。2021年の日本シリーズで野村チルドレンの高津臣吾監督率いるヤクルトに敗れたことで、仰木監督に育てられたOBたちから〝イチロー監督待望論〟が起こり、長谷川を通じてイチローの背中を押した。宮内オーナーに日本一をプレゼントし、仰木監督の恩に報いたいと、ともに心からそう願っている。来季は中嶋聡監督の続投が決まっているが、任期は1年。スムーズに政権交代は進む」(元オリックスの野球解説者)

さらにオリックス関係者によると、これまでイチロー氏の監督招請の障壁になっていたのが、実は年俸問題だったという。金額ではなく、監督就任に伴い国内で収入を得た場合、想定外の不都合が予想されるのだ。

米国内の報道によれば、イチロー氏はマリナーズ時代の08~12年までの5年間で、年俸8500万ドルのうちの2500万ドル(32億円)を引退後に分割で受け取る契約をしているという。これに利子が付き、46歳で現役を引退したイチロー氏は61歳まで毎年約4.6億円を受け取れるというのだ。

このため、受給期間中に日本で監督に就任し1億円超を稼いだ場合、日米の税金を複合的に計算すると納税額が増え、逆ザヤ現象が生じてしまう。そこで今回、宮内オーナーが株式のストックオプション(あらかじめ定められた価格で将来株式を取得できる権利)、62歳以降に給与を受け取る――といった合法的な先延ばしをする案が示され、状況が大きく変わったという。

「長谷川氏は投資や資金運用に長けている。球団が急いで副GMに取り立てた狙いは、そこ」(前出・デスク)

また、ここにきてイチロー氏の行動も活発化。1年前の智弁和歌山に始まり、11月に国学院久我山、12月も千葉明徳、高松商と立て続けに高校生を指導している。その狙いとは何か。

狙いは“イチローマジック”の確立!

「監督就任に備え、〝将来の戦力〟を調査しているといわれている。イチロー氏はマリナーズの会長付特別補佐兼インストラクターで日本学生野球協会が求める指導者の資格も得ており、指導しても問題はない。しかし今後、日本プロ野球の監督候補としてメディアに頻繁に報じられるようになると、指導はおろか接触さえ難しくなる。そうなる前の青田刈りかと」(他球団のスカウト幹部)

現在の日本球界は、MLB同様にパワーとスピードが全盛になっている。実はこれに懐疑的なのがイチロー氏で、自身の振り子打法がそうだったように安打を積み重ねるのも1つの野球だと確信している。その強い信念に従い〝イチロー2世〟を探し求めているのだ。

オリックスには、山本由伸、宮城大弥と球界を代表する左右のエースがおり、抑え陣にも好投手が多い。このチームなら、ホームランは少なくともヒットと走塁で効率よく勝つことができる――恩師の「仰木マジック」、そのまた恩師の「三原(脩)マジック」に倣い目まぐるしく選手を交代させる「イチローマジック」を確立し、自身の生き様を肯定するとともに日本野球の原点復帰を狙っているのだ。

12月4日、オリックスはファン感謝イベントで「バーチャル御堂筋パレード」を実施した。出席した大阪府の吉村洋文知事、大阪市の松井一郎市長は「来年は日本一のチームとして御堂筋でパレードをしましょう」と声を揃え、イチロー監督誕生と合わせた凱旋パレードに期待を込めた。関西は2025年の大阪万博で盛り上がっており、バファローズの人気もアゲアゲムードだ。

「その潮流に乗ってイチロー氏は同18日、草野球チームを率いて女子高校野球選抜チームと対戦。『9番・投手』で17三振を奪い、1対0と完封勝利。この企画にも、監督受諾を見据えた『オリ姫』獲得の意欲が見て取れる」(前出・デスク)

今オフは日本ハムに型破りな新庄剛志ビッグボス、ドラゴンズにも待望の立浪和義監督が誕生した。オリックス監督就任の環境は整い、あとは「結果」を待つばかりだ。

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