『世襲の日本史「階級社会」はいかに生まれたか』(NHK出版:本郷和人 本体価格800円)~本好きのリビドー/昇天の1冊
2020.10.12
エンタメ
菅義偉新総理誕生に際して、政治家は「世襲」か、「叩き上げ」かということが話題になった。菅総理は「叩き上げ」。好きな武将に豊臣秀吉をあげるなど、世襲を否定する立場だという。確かに名もない大衆の1人が国のトップに立つことに対して、親近感は湧く。
だが、日本史を紐解くと、権力者は世襲によって地位を保ってきた事実が分かる。そのことを伝えてくれるのが『世襲の日本史「階級社会」はいかに生まれたか』(NHK出版/800円+税)だ。
表紙の帯に踊るキャッチフレーズは、「日本社会は、『地位』より『家』!」。かつての武士社会は世襲の典型だった。源頼朝、足利尊氏、徳川家康ら、征夷大将軍は全員、将軍を世襲として「家」から輩出するシステム作りに腐心した。大名たちも世襲だ。男児が誕生すれば、どんな愚鈍であろうと、次の殿様候補だった。
「地位より人、人は血、いや血より家が大原則」
医師の家庭に生まれれば、親の後を継いで医者。芸能人、企業社長らも、見渡せば世襲だらけ。逆に農民の子は農民であり、だからこそイチゴ農家に生まれた国のトップは異彩を放つ。「地位より人、人は血、いや血より家が大原則」と本書は断言する。それが「歴史のカラクリ」。そのカラクリが日本の「階級社会」を形作ってきたと…。認めたくはないが、納得できる。
著者は東京大学史料編纂所教授の本郷和人氏。日本は能力主義を重視した「自由な社会」なのかと、疑問を呈す。新総理は世襲を打破し、能力主義の政治を実践できるだろうか。
(小林明/編集プロダクション『ディラナダチ』代表)
合わせて読みたい
-

水卜麻美アナが日テレ退社へ 夫・中村倫也の説得で『24時間テレビ』が花道に?
2025.05.11 芸能 -

雛形あきこ年下のイケメンマネジャーと車内で…「揺れる送迎車」記事で離婚【美女たちの不倫履歴書41】
2024.01.03 芸能 -

青森県東方沖地震は前触れか 日本・千島海溝と南海トラフ「巨大地震Xデー」
2025.12.17 -

「平時だったら私が出馬することにはならなかった」政権を担う重責への自覚が乏しかった福田康夫の気質
2025.12.22 -

喫茶店で偶然知り合い結婚式まで~島田洋七『お笑い“がばい”交遊録』
2022.12.28 芸能 -

巨人・阿部慎之助監督への“怨念”か…桑田真澄が新天地で画策する“古巣打倒”の復讐シナリオ
2025.12.21 スポーツ -

坂本勇人“今季引退説”急浮上 巨人・新ショートの覚醒で世代交代へ
2025.09.03 スポーツ -

横綱大の里も顔負け 新弟子“旭富士”のスーパー怪物度
2025.11.21 スポーツ -

なぜ「たくろう」は審査員の心を掴んだのか?令和の漫才を変えた“ズレの美学”を徹底解剖
2025.12.22 芸能 -

今夏の甲子園出場校が閉校へ 再来年度以降の生徒募集を停止
2025.12.22 スポーツ
合わせて読みたい
-

水卜麻美アナが日テレ退社へ 夫・中村倫也の説得で『24時間テレビ』が花道に?
2025.05.11 芸能 -

雛形あきこ年下のイケメンマネジャーと車内で…「揺れる送迎車」記事で離婚【美女たちの不倫履歴書41】
2024.01.03 芸能 -

青森県東方沖地震は前触れか 日本・千島海溝と南海トラフ「巨大地震Xデー」
2025.12.17 -

「平時だったら私が出馬することにはならなかった」政権を担う重責への自覚が乏しかった福田康夫の気質
2025.12.22 -

喫茶店で偶然知り合い結婚式まで~島田洋七『お笑い“がばい”交遊録』
2022.12.28 芸能 -

巨人・阿部慎之助監督への“怨念”か…桑田真澄が新天地で画策する“古巣打倒”の復讐シナリオ
2025.12.21 スポーツ -

坂本勇人“今季引退説”急浮上 巨人・新ショートの覚醒で世代交代へ
2025.09.03 スポーツ -

横綱大の里も顔負け 新弟子“旭富士”のスーパー怪物度
2025.11.21 スポーツ -

なぜ「たくろう」は審査員の心を掴んだのか?令和の漫才を変えた“ズレの美学”を徹底解剖
2025.12.22 芸能 -

今夏の甲子園出場校が閉校へ 再来年度以降の生徒募集を停止
2025.12.22 スポーツ