
世界中で新型コロナの感染者が増えている。アメリカでは11月5日の新規感染者数が12万人を超え、過去最多を記録した。フランスも6万人を超えて過去最多となるなど、欧州では感染が急拡大している。このため、フランスは10月30日から全土で仕事以外の外出が禁止され、イギリスも11月5日から国土の大部分を占めるイングランド地域で、4週間のロックダウンを実施中だ。そして、イタリアも11月6日から12月3日まで、全土での夜間外出禁止令を出すとともに、北部地域では不要不急の外出が禁止となった。
欧米の感染が深刻化したのは、夏のバカンスで人の移動が大きく増加したため、そのツケが回ってきたからだと言われている。日本はGoToトラベルキャンペーンで、むしろ政府が人の移動を推進しているが、その影響ははっきりと表れてきた。感染第3波が始まったのだ。11月18日には新規感染者数が初めて2000人の大台を超えた。
第2波が収束に向かう中で、東京以外の地域の新規感染者数は落ち着きを見せていた。しかし、GoToトラベルの対象に東京が追加された10月1日以降、明らかに東京以外の感染が増えた。埼玉、千葉、神奈川の感染者数が過去最多を更新、さらに大阪や愛知も深刻。こうした構造は、感染第2波が拡大し始めた7月上旬とそっくりだ。
しかも、今回はさらに困難な事態が重なる。北海道での爆発的な感染拡大だ。気温と湿度が下がると、新型コロナの感染者が増えることは、統計的に立証されている。
日本の命運を左右する重大な選択に直面している政府
10月23日に政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会で、年末年始の休暇を17日間に拡大することが議論された。西村康稔経済再生担当大臣が、「17連休というのも一案だ」と発言したことから、一時は賛否両論が盛り上がった。しかし、3日後に西村大臣が「要請するのは休暇の分散で、17連休ではない」と火消しにかかって、議論は沈静化した。
私は、分科会が年末年始の休暇延長を打ち出した背景に、万が一のときには、外出自粛をかける可能性を見据えていたのではないかと考えている。もともと休みのところに外出規制をかければ、経済への影響を抑えることができるからだ。
このまま第3波の感染拡大を放置するのか、それとも思いきった財政出動とともに、年末年始に厳しい外出自粛を求めるのか、政府は日本の命運を左右する重大な選択に直面している。
国会は、そのことを優先して議論すべきで、学術会議は後回しでよい。
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