(C)週刊実話
(C)週刊実話

新庄監督の計画に波紋!日ハムに長嶋一茂“監督補佐”サプライズ入閣が浮上

北海道日本ハムの新庄剛志監督が「監督補佐」の特任コーチに長嶋一茂氏を担ぎ出す計画を推し進め、波紋を広げている。


【関連】“番長”清原和博氏が立浪中日「臨時コーチ」就任で新庄劇場に待った! ほか

一茂氏は「ミスター」こと長嶋茂雄氏と絶縁関係にあるため球団は気を揉むが、ビッグボスの考えは逆。火中の栗を拾うことで長嶋ファンを味方に付け、さらなる人気獲得につなげる腹だ。


「キャンプ行くまで15本くらい(テレビ番組に)出る。日本ハムファイターズというのを売らないと。それが俺の仕事。そこからマスコミの方がいっぱい来てくれて。あとは選手。見られてますよ。さあ行きなさい、チャンスですよっていうのが一番のポイント」


新庄監督が自らこう話すように、積極的な人気獲得策の中で新たに進めているのが、〝ビッグコーチ〟の獲得だ。昨季、巨人の原辰徳監督が年明け早々に桑田真澄氏を入閣させて話題をさらった。新庄監督もこれにならい、超ド級のサプライズ人事に着手している。驚くなかれ、狙いは長嶋一茂氏だ。


一茂氏は1996年にプロ野球選手を引退後、タレントに転身。極真空手の世界に入って黒帯を取得したが、プロ野球のユニホームは一度も着ていない。だが、「宇宙人」とも言われた新庄監督とはウマが合うようだ。


テレビ朝日系列『ザワつく! 金曜日』で石原良純氏からビッグボスの評価を問われると、「彼の野球への思いは本当に純朴だし、情熱もあるし、コーチング能力は相当あると思う」と褒めちぎり、同局系『羽鳥慎一モーニングショー』に出演した際、「コーチ要請があったら?」の質問の際には「やります」ときっぱり。新庄監督から就任要請があれば、何を置いても馳せ参じる覚悟なのだ。


問題は新庄監督の本気度だが、両氏をよく知るテレビ局関係者によれば「可能性は十分にある」と語る。

一茂氏に大恩を感じている新庄ビッグボス

「新庄監督は、14年間バリ島で過ごした自分に監督の声がかかったのは、日本ハム時代から野球以外の面で『人の悪口を言わない。人間性がいい』と評価されたからと話している。実はテレビ番組などでこれを吹聴し、新庄氏のイメージを変えたのが一茂氏。名指しこそしないが、新庄監督は一茂氏に大恩を感じている」

お茶の間での一茂氏の人気は、新庄監督に比肩する。朝の情報番組からゴールデンタイムのバラエティー番組まで幅広く出演し、飄々とした態度でとんちんかんな発言を連発して笑いをとるのが一茂流。そして「周囲の反応を気にせず、正論を堂々と口にする」ことで世論を誘導。賛否両論あった新庄氏のユニホーム復帰についても、一茂氏は、昨季のトライアウト挑戦も含め、一貫して応援し続け、今回の監督就任につなげた。


「今の日ハムのコーチは球団が選んだ人たちで、既存の常識に凝り固まっている。ビッグボスは、それが不満。球界の封建的な体質を変えるには、正論で異を唱える〝ビッグコーチ〟(監督補佐)が必要だと感じたようだ。新入団選手発表会で『コーチ陣の言うことは聞かないでほしい』と訓示してチーム内に混乱が生じていることもあり、メディアを上手く使える一茂氏にスピンドクター(情報操作)を期待しているのだろう」(スポーツ紙デスク)


言わずもがな、一茂氏の父親は巨人軍終身名誉監督の長嶋茂雄氏。その長男で87年にドラ1入団したにもかかわらず、これまで一茂氏に臨時も含め、一切コーチの声がかからなかった原因は、各球団首脳が長嶋家との関係を思いはばかったことも大きい。

1年限定の新庄政権だからこそ…

12月8日に東京・両国国技館で開かれた巨人のシーズン感謝祭では、茂雄氏の文化勲章受章セレモニーも組み込まれた。ファンの前に久しぶりに登場した茂雄氏は、原監督から花束を贈られるとマイクで「皆さん、どうもありがとう」とお礼を述べた。王貞治ソフトバンク球団会長、松井秀喜ヤンキースGM特別アドバイザーなどから祝福メッセージが届いたが、会場に一茂氏の姿はなく、存在は封殺されていた。

実は、一茂氏は11月末に発売された月刊誌『ゲーテ』(幻冬社)で、「父とはもう13年会っていない」と発言し、世間をザワつかせているのだ。


「2007年に亜希子夫人を亡くしてから、介護も含めた茂雄氏の身の回り、茂雄氏の個人事務所『オフィスエヌ』の経営をこなしているのは次女の三奈さんです。その三奈さんと一茂氏は、長嶋氏のグッズ売却を巡るトラブルなどで決定的な不和に。長嶋家とはほぼ絶縁状態です」(長嶋家をよく知る放送関係者)


しかし、一茂氏は同誌の中で、次のようにも綴っている。


「父だけでなく、妹達や弟とも10年以上顔を合わせていないし、連絡もとっていない。(中略)どうしても言っておきたいことがある…それは日本中の長嶋茂雄ファンの中で、僕こそが一番の長嶋茂雄ファンだということを…」


日ハムと新庄監督との契約は1年(推定年俸1億円)。球団は当初、10年契約を申し出たというが、新庄氏がそれを固辞。代わりに求めた条件はただ1つ。それが「監督後の選手復帰」だ。


北広島市の「エスコンフィールド北海道」に本拠地を移す再来年には稲葉篤紀GMに監督のバトンを渡し、今オフのトライアウトで選手復帰を目指す。1年限定の新庄政権だから、思い切った施策が打てる。


その1つが「監督補佐」での一茂コーチの入閣であり、それを橋頭堡にした長嶋家の確執氷解なのだ。