蝶野正洋 (C)週刊実話Web
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蝶野正洋『黒の履歴書』~年末年始に増える「特殊詐欺」に注意!

嫌なニュースだが、年末年始は「特殊詐欺」の被害が増えるそうだ。


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ここ数年はいわゆる「振り込め詐欺」だけじゃなく、還付金があるので手続きをしてほしいとか、口座が凍結されそうだからクレジットカードを預けてくださいとか、あの手この手の詐欺が横行している。


さまざまな手口や事例も含めて特殊詐欺の被害は毎日のように報道されているし、警察も警戒を呼びかけているんだけど、なかなか減らないという実態がある。


これは高齢者に対する啓発が行き届いてないということもあるし、それ以外の世代なんて、もっと関心を持っていない。特に40~50代くらいの『週刊実話』を読んでる世代あたりが「特殊詐欺ってのは、お年寄りが騙されるやつだろ。俺には関係ない」と思ってるんじゃないか? それが特殊詐欺の被害が減らない原因の1つのような気がするよ。


今、自分の親が詐欺集団に狙われていると考えてほしい。急いで親に電話して注意したくなるだろ? 「オレオレ詐欺」が通用してしまうのは、子供が普段から親とちゃんとコミュニケーションを取っていないということもあると思う。子供の近況が親にしっかり伝わっていれば、急にカネが必要になったと言われても、そんなはずはないって思うだろうしね。


俺も月に1回は親に連絡するようにしている。俺の母親は、数年前に詐欺の電話があったけど、知らない番号だったから取らなかったと言っていた。もし電話に出ていたら、危なかったかもしれない。


それに特殊詐欺の被害はシルバー世代だけじゃない。子供も狙われているんだよ。

巻き込まれたと思ったらすぐに警察に連絡!

先日、俺は千葉県警から「電話de詐欺加担防止広報大使」に任命された。「電話de詐欺」とは、特殊詐欺の実態を周知するために平成27年8月から使用している千葉県独自の広報用名称なんだけど、俺が任されたのは、この電話de詐欺に加担してしまう若者をなくそうという啓蒙活動だ。

インターネットで「短時間高収入」というアルバイトを見つけて応募したら、ある人から荷物を受け取ってくるという仕事だった。その実態は、特殊詐欺の「受け子」と呼ばれる役割で、それで逮捕されてしまうという若者が増えてるんだよ。


彼らは、最初から悪いことをやろうとは思ってなくて、気付いたら受け子をやらされていたというパターンがほとんど。途中でこれはヤバいと気づいても、詐欺集団に身分証明書のコピーを取られていて「逃げるな」と脅されたりする。


詐欺の片棒を担いでしまったとはいえ、こういう若者たちも被害者と言える。だからこそ巻き込まれたと思ったら、すぐに警察に連絡する、親や信頼できる大人に相談するということを伝えたい。


特殊詐欺のような犯罪に対しては、それぞれが当事者意識を持って社会全体で取り組めば減らせるはずなんだよ。


あとは警察や行政、そして企業も連携を取って協力する。例えば、詐欺に使われた電話番号はすぐに登録して、スマホに警報を出すようにするとかね。


災害だけでなく、犯罪に対しても「公助」だけでは身を守れない。「自助」「共助」も意識して、自分たちで家族を守るという気持ちでいてほしいね。
蝶野正洋 1963年シアトル生まれ。1984年に新日本プロレスに入団。トップレスラーとして活躍し、2010年に退団。現在はリング以外にもテレビ、イベントなど、多方面で活躍。『ガキの使い大晦日スペシャル』では欠かせない存在。