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“番長”清原和博氏が立浪中日「臨時コーチ」就任で新庄劇場に待った!

清原和博
清原和博 (C)週刊実話Web

満を持して監督に「ミスタードラゴンズ」を投入したものの、ド派手な「新庄劇場」にかき消され、霞んでしまった中日ドラゴンズ。

最後の切り札というべきか、立浪和義監督のPL時代の先輩、清原和博氏の担ぎ出しに着手。臨時コーチ就任で「立浪劇場」開演か――。

師走を迎えプロ野球各球団とも納会や新入団選手、コーチ陣の発表会見を連日行っているが、スポーツニュースは破天荒な服装や言動で話題を振りまく日本ハム新庄剛志新監督に一極集中。他球団は脇役に追いやられホゾをかんでいる。

「最大の被害者が中日の立浪和義新監督です。同時期に『ビッグボス』が誕生し、中日の動向を伝えるのは名古屋ローカルの情報番組ばかり。起爆剤を期待した球団の思惑は外れ、夜の賑わいにも影響が出ています」(中日担当記者)

業を煮やしたドラ陣営は、テレビがダメならネットメディアがあると、YouTubeに着目。呼応するように〝ある球界の大物〟が立浪監督の応援を買って出て、新庄監督の「ネガティブキャンペーン」を始めた。

「立浪監督の2学年先輩、清原和博氏だ。自身のYouTubeチャンネルで新庄監督の独特のファッションや、伸び悩む清宮幸太郎選手をデブと批判する発言に『イラっとしました。プロ野球のOBたちは口には出さないと思いますけど、みんな嫌な気分になっているのは間違いない』と毒づいている。一方、茶髪、長髪、ヒゲを禁止し、PL伝統の厳しい指導で真摯に野球道を追究する立浪監督を称えていた」(中日OBの野球解説者)

清原氏は人気、実績とも新庄氏に勝るとも劣らないが、球団首脳は手放しでは喜べない。薬物逮捕の過去があるからだ。しかも、あからさまな〝新庄サゲ&立浪アゲ〟発言に当初、中日本社サイドは「ほめ殺しになりかねない」と警戒したが、球団などに「後輩を思ってバッシングを恐れず発言してくれた清原氏に感謝」といった意見が多く寄せられ、歓迎に転じたという。

外部からの支援なら頼もしい存在

「立浪、新庄の直接キャラ対決では分が悪いですが、清原氏が中日に一丁かむことで注目度が高まり、立浪劇場の構成が整いました。中日は二軍監督にPL時代に立浪のチームメートだった片岡篤史氏を起用。清原氏を陣営に引き込み〝オールPL〟で立浪監督支援の構図ができました。来春の沖縄キャンプでの〝臨時コーチ構想〟も浮上しています」(前出・記者)

中日は来季陣容をすでに発表済み。加えて、過去の事件を勘案すれば球団が清原に正式な形でのコーチやアドバイザーを要請することはないが、バックヤードでの立浪監督の相談役、選手への私的な助言なら支障はないと判断し、立浪監督も反対していないという。

「2学年先輩の清原氏にベンチにいられては、何かと面倒、ご免被りたいのが本音。しかし、外部からの支援なら頼もしい存在に変わる。根尾昂、石川昂弥、高橋宏斗らのドラ1組も、清原氏の圧でバケる可能性がある」(前出・解説者)

故星野仙一監督をこよなく尊敬し、人身掌握術を学んだ立浪監督は、コワモテの懐刀、参謀が必要と考えている。星野監督とコンビを組んだ島野育夫コーチのような存在だ。

チームには、選手の兄貴分的存在の落合英二投手兼ヘッドコーチがいるが、島野氏のように選手個々の私生活を含めたトラブルを秘密裏に処理する凄味はない。期待するのは、コーチ陣、選手たちへのにらみ。その点では球界の番長は適役だ。

また、清原氏は立浪監督とともに『反落合博満』の代表的存在。共通するのは「オレ流」への強い怨念だ。

“オレ流”を継承している新庄ビッグボス

「2009年の現役引退後、常に監督候補に名前が挙がりながら監督就任が実現しなかったのは、前任の白井文吾オーナーの評価が低かったのが大きいからだ。その背景には、監督・GMだった落合氏が立浪氏の私生活のトラブルや反社会的な人たちとの交遊を指摘していたことがあるという。星野残党、中日生え抜き勢の象徴が立浪氏だったから」(同)

落合氏を仇敵とする思いは、清原氏も同じ。両雄の険悪な関係は、球界でつとに有名で、清原氏がFAで西武から巨人に移籍したことが発端だ。一塁のポジションが落合氏とかぶり、結果として「史上初の三度の三冠王」が押し出される形で巨人を去った。

「引退後、中日に戻った落合氏が、清原憎しで立浪をいびり倒しているという話をPLの後輩たちから聞きカチンときたそうだ。それが決定的になったのが、あの事件。清原氏が覚醒剤を所持していたとして逮捕された際、『落合氏が周囲から聞いた情報をメディアに流した』というウワサが流れ、清原氏の耳にも入った。そんな落合氏の〝オレ流〟を継承しているのが新庄監督。清原氏が敵意を剥き出しにするのは頷ける話」(スポーツ紙デスク)

清原氏はNPBプロ研修と学生野球研修を受け、学生(高校生、大学生)を指導するのに必要な学生野球資格を回復している。しかし、実際の指導には執行猶予期間経過後5年という縛りがあり、昨年6月に執行猶予が解けた清原氏がアマ指導ができるのは2025年6月以降となる。

プロのコーチはこの範疇にはないが、正式コーチまでは難しい。しかし、オーナーが「星野-立浪」シンパの大島宇一郎氏に代わり、臨時コーチなら支障はない。

どんな形であれ、清原氏が春季キャンプに赴けば、新庄劇場以上の話題となる。中日陣営の狙いはそこだ。

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