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稲川会 住吉会――関東主要団体が誇示する「鉄の結束」に密着!

関東の各組織間で、連日、年末の挨拶が行われた。


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12月2日、稲川会(東京)傘下で神奈川県川崎市にある四代目山川一家(小林稔総長)本部には、清田次郎総裁と内堀和也会長、最高幹部らが集結していた。清田総裁は本部内に留まることなく、言葉を交わしながら、時折、敷地の外に出て通りを確認するなど、客人の到着を心待ちにしている様子がうかがえた。


「見えました!」と声が飛ぶと、すでに通りには高級車の車列があり、勢いよく山川一家に滑り込んだ。車両からは住吉会(東京)・関功代表と小川修司会長、最高幹部らが降り立ち、稲川会の歓待を受けて本部内へと姿を消したのである。


一行が再び外に現れたのは到着から約1時間後のことで、関代表は車両に乗り込む直前まで清田総裁らに声を掛け続けていた。


「住吉会と稲川会は古くからの付き合いで、昨年はコロナ禍で関東での挨拶が休止されていただけに、話題が尽きなかったようだ。両組織の間では一時トラブルが相次いだが、関代表と清田総裁は互いを尊重し合っている。気持ちと気持ちの付き合いができる関係にあるからこそ、親しい付き合いが続いているんだ」(関東の組織関係者)


翌3日には、道仁会・小林哲治会長(福岡)が都内の稲川会本部を訪問。引き揚げる際には、内堀会長と笑顔で固い握手を交わす場面も見られた。稲川会本部には、住吉会の最高幹部らが出迎えに来ており、小林会長はその足で千葉県富里市にある共和一家へも向かったのだった。


その共和一家では玄関前に小川会長らがズラリと並び、到着を待っていた。


「住吉会と道仁会は、業界初の『五分の兄弟会』という親戚関係にある。11月には親睦食事会が行われ、住吉会が道仁会を訪れたばかりだ」(他団体関係者)

形式的な訪問にはない自然な振る舞いと笑顔

小川会長は最後の1台が敷地を出るまで見送っており、親戚としての思いの深さが伝わってきた。

「小林会長は、住吉会と稲川会とのトラブルの際には水面下で奔走した。他の案件でも、本人が地元の久留米から即座に動いて対応し、骨を折るなどしてきたと聞く。業界の平穏を最も重視しているから、行動力にも表れるのだろう」(同)


また、4日には双愛会・椎塚宣会長(千葉)と最高幹部も山川一家を訪れ、清田総裁らと対面した。


「清田総裁とは個人的にも距離が近いそうで、組織間の結束も固いはずだ」(前出・関東の組織関係者)


続いて東声会・早野泰会長(東京)らも挨拶を行い、清田総裁と歓談した模様だ。


「関東に本拠を置く主要組織の親交は、ここにきて着実に深まっている。先代からの付き合いはもちろん、いずれも現体制での横の繋がりが強いようだ」(同)


本誌取材班が3日続けて各地で追った動きからは、形式的な訪問にはない自然な振る舞いと笑顔があった。それはトップに限った話ではなく、組員同士が近況を報告し合う姿からも感じられたことだった。


「トラブルが起きれば引くところは引けないから、いくら普段は親しくても緊迫するもんだ。けど、これまで話し合いによって手打ちがなされてきたのは、組織間の日頃の付き合いと根底に固い絆があるからに違いない。仲裁役として欠かせない道仁会・小林会長の存在も大きいはずだ」(同)


ある関東組織の幹部は、今後のヤクザ業界の行く末についてこう話す。


「一般社会への影響も考慮し、喧嘩がすべてではなくなってきている。警察の締め付けも強まり、トップにまで責任追及される時代にあって、どう組織を発展させていくか。もう『俺が俺が』の時代ではない。各団体とも協力して、生き残っていくのがベストだ」


関東では、このところ目立った衝突は起きていない。誰もが業界の将来を見据えているからだろう。