日本大学お茶の水校舎 (C)週刊実話Web
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日大・田中英壽元理事長逮捕「裏金全部ぶちまけてやる!」で政界に波及へ

東京地検特捜部は11月29日、所得税法違反の疑いで日本大学の田中英壽前理事長を逮捕した。


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永田町では、この背任事件の発覚で、田中容疑者が「政界にバラまいた」とされる裏金にメスが入り、大疑獄事件に発展するとの情報が駆け巡っている。


「疑惑の舞台は日大医学部附属板橋病院です。同病院は築50年を超えて老朽化が進み、大学は2026年をめどに建て替えを急いでいました。工事には1200億円の巨費が投じられる予定で、その中で億単位の資金が流出する背任事件が起きています」(捜査関係者)


特捜部は、大学に計4億2000万円の損害を与えたとして、田中容疑者の側近で日大元理事の井ノ口忠男被告、医療法人「錦秀会」前理事長の籔本雅巳被告をすでに背任罪で起訴している。


「井ノ口、籔本両被告は2018年から20年にかけて、取引業者からリベートをもらったことへの〝謝礼〟として、田中容疑者に多額の現金を提供していたとされます。田中容疑者は複数回にわたって約1億2000万円を受け取り、所得税約5300万円を脱税した疑惑を持たれているのです」(同・関係者)


地検の関係者が続ける。


「安倍晋三元首相と籔本被告は『晋三さん』『ヤブちゃん』と呼び合い、父親時代からの親しい間柄。籔本被告は安倍氏としばしば行動をともにしており、その関係から国会議員に多額の政治献金をしていました」

検察が日大と政界の闇にどこまで切り込めるか

籔本被告は、安倍氏の一の子分である中山泰秀元防衛副大臣の有力後援者で、11~19年に個人献金のほか、「錦秀会」や「兵庫錦秀会」の名義でパーティー券などを購入し、約2278万円を中山氏側に渡していたとされる。

「取引業者から2億2000万円が振り込まれた2日後の20年8月7日、籔本被告は都内の焼肉店で3000万円の現金を田中容疑者に手渡したと供述している」(同・関係者)


もっとも、田中容疑者は逮捕後も脱税や背任行為などの不正関与を全否定している。


「田中容疑者が政界との関係を重んじたのは、補助金や助成金を優遇してもらうほか、いざというときの保険を掛けていたと推測される。その保険が利かないことにイラ立ったのか、田中容疑者は逮捕前、周囲に『俺が逮捕されたら、今まで政治家に渡した裏金を全部ぶちまけてやる』と怒り狂っていたという」(前出・捜査関係者)


特捜部は、これまでの家宅捜索で東京・阿佐谷の田中容疑者の自宅や大学本部の理事長室から、あわせて約2億3000万円の現金を見つけている。また、井ノ口被告から田中容疑者に渡った1000万円の銀行支店の帯封も押収している。


今後、検察が日大と政界の闇に、どこまで切り込めるかが最大の焦点となる。