新たな変異株「オミクロン株」は、現在主流のデルタ株と比べると再感染リスクは3倍――。
これは南アフリカの複数の医療団体が行った研究結果である。
また、南アフリカ国立感染症研究所は、同国内の11月の感染例の74%をオミクロン株が占めていたとする調査結果を発表している。10月時点ではデルタ株が92%で、急速にオミクロン株に置き換わっている実態が明らかとなった。
公衆衛生が専門の医師で作家の外岡立人氏が言う。
「報告例を見ると、ワクチン接種済みの人々の感染が目立ちます。これまでの数十例では、軽症者および無症状者が多い。重症者の報告は少ない感じですが、正確な情報が乏しいため、断定はできません。また、オランダで11月中旬にウイルスが侵入していたことが分かっています。オランダの国立公衆衛生環境研究所によると、11月19日と23日に採取した検査サンプルのうち、2個の検体からオミクロン株が検出されました。南アフリカが最初のオミクロン株を報告した同月24日よりも前に、オランダにオミクロン株が存在していたことを示しています」
“変異”は世界のどこでも発生する
一方、世界保健機関(WHO)の報告では、12月3日時点で、オミクロン株に関連した死者はゼロだ。
「オミクロン株は、デルタ株が変異したものと考えられています。つまり〝世界のどこでも発生する〟と言うことができる。南アフリカの研究機関がきちんと遺伝子検査をして分かったオミクロン株ですが、世界では南アフリカで発生したと受け止めている人も少なくない。しかし、発生した場所はまだ確認できていない。南アフリカの研究機関は『残念なことだ』とコメントしています」(外岡氏)
南アフリカでは若者や子供の感染例が目立つが、症状は軽いという。
「ヨーロッパでは、これから3~4カ月後には完全にオミクロン株に置き換わると考えられています。幸いにも症状は軽症か無症状、つまり、感冒(かぜ)程度で済んでいます」(外岡氏)
感染力は強いが、比較的軽症と予想されるオミクロン株が主流となれば、コロナ騒ぎも収束しそうだが…。
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