(画像)Kues / shutterstock
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岸田首相“お膝元”広島で起こった『イケア』出店中止騒動の顛末

コロナ禍における在宅勤務の普及などに後押しされ、大いに沸き立っているのが家具業界。


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スウェーデン発祥の家具業者『イケア』も例外ではなく、国内店舗全体の売上高は前期を上回る数字をたたき出すなど絶好調だ。


「イケアといえば、大規模な店舗を構え、実物大のショールームに実際の家具を設置することで多くの顧客を集めるスタイル。そのため、緊急事態宣言下では数少ない『出掛けることができる先』として、多くの来客を獲得し売り上げにつなげました」(経済ライター)


まさに飛ぶ鳥を落とす勢いのイケアだが、岸田首相のお膝元である広島で、中四国地方として初出店を目的として買収していた土地を、今年の10月末に売却したことが明らかとなり波紋を呼んでいる。その土地は、2013年に計画が発表されたJR広島駅北口で県内有数の再開発地区に該当し、当初は〝話題のイケア〟が神戸、大阪、福岡に次いで西日本としては4店目のオープンになると、地域の期待感は高まっていた。その後、周辺地域は計画通りホテルや商業ビル、スーパーマーケットなどが開設されていったものの、イケアの予定地だけは駐車場のまま。次第にイケアオープンに対するに熱は冷めていったという。


「イケアを運営するイケア・ジャパンによると、引き続き広島への出店意欲を示してはいるものの『コロナ禍以降、顧客の買い物方法やニーズが新しくなっている』として、今後は都市部の商業施設へのテナントの出店、オンラインストアの拡充などに注力していく方向性で、従来のような大型店舗の建設を断念したとしています」(地元紙記者)

不動産屋と変わらないのでは!?

至極真っ当な経営上の撤退理由だが、先述のように県内有数の再開発地区である一等地を長年放置した上での売却については、うがった見方もされており、広島商工会議所会頭の池田氏は「8年も放置した揚げ句に進出断念は残念」と批判的なコメント。また、周辺住民などからは「再開発が順調に進み、地価の上昇が確実になってからの売却は、不動産屋と変わらないのではないか」という厳しい声も上がっている。

さまざまな要因はあるものの、結果的に長年の期待を裏切ったことに対するブランドイメージの毀損はあるようだ。


「イケア・ジャパンは、このたびの土地約1.88ヘクタールを13年に一般競争入札によって約47億円で落札しています。当初は店舗開設を予定していたのでしょうが、アベノミクスによる不動産価格上昇の流れを受けて、方針が変更された部分は大いにあると思います。そしてこのタイミングで売却されたということは、そこで得たキャッシュをアフターコロナを見据えた投資に回すことが予想され、家具業界においてもコロナ禍後の経済シフトに向けた動きが本格化してきたと見てもいいでしょう」(経済アナリスト)


イケア・ジャパンから土地を買い取った住友不動産からは、まだ今後の計画などは発表されていないものの、既に地元経済界からは「アフターコロナを意識した施設の建設を」と期待が高まっている。