東京地検特捜部は11月29日、所得税約5300万円を脱税した疑いがあるとして、日本一のマンモス大学の日本大学・田中英壽理事長（74）を所得税法違反容疑で逮捕した。

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日大を巡っては、日大医学部附属板橋病院の建て替え工事計画に絡み、すでに特捜部は元理事の井ノ口忠男被告（64）と医療法人「錦秀会」前理事長の籔本雅巳被告（61）を背任罪で二度、逮捕・起訴している。田中容疑者も同事件の関係先として、特捜部から9月に事情聴取と自宅の家宅捜索を受けており、逮捕は時間の問題とみられていた。

「井ノ口被告と籔本被告の背任事件で、日大は約4億2000万円の被害を被っているのに、トップである田中容疑者は〝大学は被害を受けていない〟として被害届を提出することを拒否。背任についての巨額な金の流れも〝知らない〟〝受け取っていない〟の一点張り。威信を懸けた特捜部と全面対決の姿勢を崩さなかった」（社会部記者）

不明朗な1億円近くを受領した疑い…

田中容疑者は籔本被告の供述などから、不明朗な1億円近くを受領した疑惑が浮上しているが、

「実際、数回にわたる田中容疑者の自宅へのガサ入れで、数千万円の現金が保管されていたことが分かった。特捜部もここを突破口に頂上作戦に出ました」（同）

田中容疑者は2008年に日大理事長に就任。ドンとして13年間も君臨している。そもそも、病院建て替え計画で背任事件の中心舞台となったのは、日大が100％出資した『株式会社日本大学事業部』だ。

「田中理事長は日大事業部の取締役ではありませんが、側近ら複数の理事が取締役を務めている。その中で実権を握っていたのが、田中理事長に寵愛された井ノ口氏。彼は日大アメリカンフットボール部の悪質反則問題で、暗躍した人物ですよ。ちなみに、籔本氏とは日本相撲連盟つながりです」（日大OB）

学内で背任事件が起きたにもかかわらず、田中容疑者は知らぬ存ぜぬでトップに居座ろうとしていた。

「特捜部は第2の矢も用意している」（捜査消息筋）

田中容疑者〝完落ち〟か。