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座敷わらしになれる素質を持った女の子の霊~原田龍二の『不思議な世界』

原田龍二
原田龍二 (C)週刊実話Web

当連載の第21回から第24回にかけて、山形で心霊スポット巡りをお伝えしたことを覚えているでしょうか。その時にナビゲーターをしてくれたのが、降魔師という肩書を持つAさん。それからも連絡を取り合っていて、いつか再訪したいとは思っていたものの、東北はそう簡単に行ける距離ではありません。「雪が降る前には行きたいですね」なんて話していた矢先、Aさんからこんな話が持ち込まれました。

どんな事情かは分かりませんが、2~3歳の女の子の霊と出会ったとか。彼女の名前はみやこ。供養して成仏させてあげることもできたんですが、座敷わらしになれる素質を持っていると感じたそうなんです。日本古来より、霊体を座敷わらしに昇華させる方法があり、それをAさんは知っていました。本来は50日前後の日数をかけて座敷わらしにするのですが、みやこはかなり優れていたようで、もっと早く座敷わらしになれそうだと言います。

その過程でも連絡を取り合っていた僕は、Aさんから「50日もかからず、彼女は座敷わらしになれると思います」と途中で報告を受け、「座敷わらしって作れるものなのか」と驚きつつも、ひとまず待つことに。「彼女が座敷わらしになったら、原田さんに渡しますね」と言うAさん。僕にみやこを受け渡す、というのです。

見た瞬間は「何だこりゃ」

ただ、座敷わらしが作れたとしても、Aさんのいる山形へ行くには、YouTubeの撮影として行けるタイミングが合わなければいけません。「もし作れたとしても、どうしたらいいのかな」なんて考えつつ、スタッフに相談したところ、「じゃあ、Aさんに会いに行きましょう」と言ってくれました。東北の旅第2弾、決行です。

みやこがどういう形で座敷わらしとして存在するか、この時点で僕らは知りません。イメージとしては、見えるかどうかは分かりませんが人形みたいなものを依り代にして、それをいただくのかと想像していました。

我々ロケチームは山形県に入り、まずはAさんのいる天童サムライ道場へと向かいます。道場に着くと、神棚の下に小さな椅子があり、木で作られた一輪挿しに入った風車が鎮座していました。「これがみやこです」と、紹介してくれるAさん。正直な感想を言うと、見た瞬間は「何だこりゃ」でした(笑)。でもキャラクターのぬいぐるみなどではなく、日本で昔から親しまれている風車という玩具には納得できました。

僕も以前、座敷わらしのモニタリングをする時は風車を用意して、「回ったらきっと座敷わらしが来てくれたという合図だろうな」と思っていましたし、実際に回ったこともあります。自分の中では不自然さはなく、逆になじみのあるものでした。最初に肩すかしを食らったと同時に、「こういう形なのか」と腑に落ちる部分もあったのです――。(つづく)

原田龍二
1970年生まれ。ドラマやバラエティーで活躍する一方、芸能界きってのミステリー好きとして知られ、近著に『ミステリーチェイサー原田龍二の謎のいきものUMA大図鑑』がある。現在、『バラいろダンディ』(MX)で金曜MCを担当。YouTubeチャンネル『ニンゲンTV』を配信中。

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