(画像)Alexander Khitrov / Shutterstock.com
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北朝鮮に“悲劇”再び…金正恩総書記「喜び組」復活大号令の酒池肉林!

あの悪名高き「喜び組」と、その管理部署の話題が再燃している。


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「金正恩総書記は、12月に権力継承から10周年を迎えますが、そんな折、突如として600人の喜び組を集めろと大号令を発したのです。命令を受けた担当部署は、出身階級が高く、容姿端麗な女性を見つけようと血眼になっています」(北朝鮮に詳しい元大学教授)


その理由を脱北者で、朝鮮労働党の幹部養成機関で教鞭を執っていた人物は、こう指摘している。


「正恩氏の祖父・金日成主席は、80歳にして喜び組の20代女性との間に息子をもうけています。身辺の世話役を務めた看護師との間にも、金賢(2001年処刑。生存説もある)がいた。父の金正日総書記は少なくとも6人の正室がいただけでなく、1000人近い喜び組を全国35の別荘に住まわせ、好色の限りを尽くした伝説の人物。正恩氏も血は争えないということです」


夫人の李雪主氏に飽きたからか、それとも元恋人の玄松月氏(国務委員会芸術団団長)より、若い女性に希望を見いだすためか。


「かつて喜び組は『朝鮮労働党中央委員会5課』で選抜していましたが、現在は『中央委6課』が、その役を担っています。そもそも5課が誕生したのは1976年ごろで、正日氏が父の日成氏の長寿のためという名目でつくった部署です。しかし、喜び組出身の女性らが韓国に脱北したことで、金日成宮殿内で行われていた酒池肉林の内情が明らかにされました」(北朝鮮ウオッチャー)


つまり、正日時代に悪名を馳せた喜び組が、正恩時代に縮小化したものの、ここに来て完全復活するということだ。

最重要検査項目は“処女”であること…

喜び組の選抜は、1次審査で容姿、2次審査で感染症の有無を調べ、3次審査で詳細な身体検査を行うが、最重要検査項目は処女であるかどうかだ。審査書類の最後には、《将軍様に忠誠を尽くす》という血書をしたためるという。

「以前は首都・平壌での最終審査に50人ほどが残りました。正日氏が自ら報告書類のすべてに目を通し、そこから10人を選んで2~3人単位で食事をし、最終的に2人を選びます。彼女たちは正日氏の身辺の世話はもちろん、スポーツやカラオケなどにも同行し、ストレスの多い独裁者を楽しませます。最終審査で不合格となった女性が、党幹部に愛人として囲われるケースもありました」(同・ウオッチャー)


正日氏は50歳だった92年ごろ、身体的問題から性交渉を持てなくなり、94年を最後に喜び組は姿を消した。だが、正日氏が亡くなった翌12年に、正恩氏が6課として再稼働させている。


「担当が5課から6課に変わったのは、最高機密扱いの喜び組の存在が、庶民にも知られるようになり、かわいい娘を党幹部に売りたくないと、わざと娘を醜く装う親が増えてきたこともありました」(同)


最近、脱北者出身で韓国紙『東亜日報』の記者であるチュ・ソンハ氏が、北朝鮮の「109常務」が作成した内部文書を公開した。109常務とは、海外から流入した「不法映像物」を取り締まる特務組織だ。


「正恩氏は今年1月に開催された朝鮮労働党の党大会で、『反動的思想・文化排撃法』を制定し、韓国ドラマなど韓流コンテンツはもちろん、意外にも北朝鮮が制作した作品に対しても厳しい規制を敷いた」(在韓日本人ライター)


この109常務も、正日時代の04年に創設されている。チュ氏によると、リストに載った作品に主役として出演した芸能人の大半が、すでに粛清されたという。同法に触れた喜び組出身のトップ女優、キム・ヘギョン氏は、正恩氏の叔父で13年12月に処刑された張成沢氏の愛人だったといわれる。

“愛人の子”金正恩のトラウマ

「ヘギョン氏は、張氏の処刑直後に政治犯収容所『完全統制区域』に送られ、その後、消息はぷっつりと途絶えました。彼女は張氏の威光をバックに、違法蓄財に手を染めていたことも問題視されており、資産の一部を差し出して当局に出頭しましたが、正恩氏は許しませんでした。折を見て処刑されたのではないでしょうか」(同・ライター)

もっとも正恩氏には以前から、元愛人を口封じのために処刑するなどした父・正日氏を忌み嫌っていたとの説がある。


「北朝鮮住民は、在日帰国者(日本から北朝鮮に帰国した元在日朝鮮人および日本人の夫や妻)を『ジャッキ』と呼んで、激しく差別している。そのため、正恩氏の生母である高容姫氏が、在日帰国者だという事実は秘中の秘です」(国際ジャーナリスト)


正恩氏は、祖父の日成氏に一度も会ったことがない。異常な女性遍歴をたどった正日氏が、高氏を正妻としなかったからで、これも正恩氏が父を忌み嫌う理由の1つに違いない。


「つまり、正恩氏および妹の金与正党副部長の出自は、在日帰国者であり、踊り子出身の愛人の子ということになります」(同・ジャーナリスト)


北朝鮮も国連人権理事会に加入しているため、女性を含む国内の人権状況について2年ごとに報告書を提出する必要がある。当然ながら、喜び組の復活が記されることはないだろう。