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「たこ焼き」の値段にモロ直撃…全国の漁場からタコが消えた!

魚市場
魚市場 (C)週刊実話Web

海の幸のタコは〝多幸〟という当て字が使われ、酢ダコは紅白になることから、縁起物として正月のおせち料理に欠かせない食材だ。

そのタコの名産地として知られる兵庫県・播磨灘に続き、11月から始まった北海道・道東のタコ漁も不漁。正月に食されるタコだけでなく、たこ焼きの値段にも影響が出始めている。

「明石のタコ」は兵庫県神戸市から赤穂市にかけてと、淡路島で水揚げされる。最盛期は6月~8月。明石沖のタコ類の漁獲量は都道府県別で2位、マダコに限ると日本一だ。

「今年は7月までの漁獲量が、前年同期比で7割以上も減少。明石沖の最盛期のタコ漁も、前年の4分の1にとどまりました。原因は不明ですが、考えられるのは海の栄養の低下と、遊漁船やプレジャーボートによるタコ釣りブームですよ」(神戸市在住のライター)

明石市内の5漁協に所属する遊漁船業者は、タコ釣りの営業を来年4月まで休止することを決定。他地域の遊漁船やプレジャーボートで釣りを楽しむ人々にも、同様の自粛を呼びかけた。

北海道は赤潮、沖縄は軽石…

「明石ダコが不漁で、値段は昨年の1.5倍に上がった。11月からは北海道のタコ漁に期待していたが、マダコは入ってこない。北海道のタコは赤潮被害にあったようです」(水産仲卸業者)

8月下旬から道東の海で発生した赤潮で、鮭、ウニなどが甚大な被害に遭った。タコは交尾のために毎年11月ごろから沿岸の浅瀬に上がって来るが、今年は赤潮の原因となる植物プランクトンのせいで、浅瀬に近づかないという。

加えて、これからタコ漁の最盛期に入る沖縄県では、海底火山の噴火に由来する大量の軽石のため、漁に出られない状態が続いている。

「どこのたこ焼き屋も値段を上げるかどうか、迷っていますよ」(都内のたこ焼き店店主)

値上げでお手上げだ。

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