
小島聡「いっちゃうぞ! バカヤロー!」~一度は使ってみたい“プロレスの言霊”
格闘技のバックボーンを持たなかった小島聡は、アニマル浜口ジムでトレーニングを積み、脱サラしてプロレスラーになった。
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天山広吉とのテンコジタッグは、1998年の結成から20年以上が過ぎた今も健在。明るく激しいファイトで我々を楽しませてくれる。
2002年11月、K-1創始者の正道会館・石井和義館長と、全日本プロレスに所属していた武藤敬司がタッグを組み『ファンタジーファイトWRESTLE-1』(以下W-1)が開催された。
当時、K-1で人気爆発中だったボブ・サップをエースに据えて、米WCWで無敵を誇ったビル・ゴールドバーグも参戦するなど、「プロレス版Dynamite!」との触れ込みにふさわしい豪華ラインアップではあったが、多くのプロレスファンはどこか冷めていた。
そもそも格闘家として名を上げたサップが主役であり、19時からフジテレビ系で放送されたテレビ中継のタイトル『ボブ・サップのバトル・エンターテイメント W-1』に、どこかプロレスを馬鹿にするようなニュアンスを感じた部分はあっただろう。
ただし、同大会をプロデュースした石井館長は、決してプロレスを軽んじていたわけではない。03年に脱税容疑で逮捕され、表舞台から一歩引くことになってしまったが、それがなければ石井館長の手で、新たなプロレス文化が生まれていた可能性もある。
また、この大会に出場した格闘家たちも、経験不足ゆえのぎこちなさはあったが、きちんと受け身を練習するなど真剣に取り組んでいた。ただ、それでも大会の評判が芳しくなかったのは、試合内容よりもむしろ演出が問題だった。
三冠とIWGPを独占する歴史的偉業
例えば小島聡が見せ場である「いっちゃうぞエルボー」(ダイビング・エルボー)を放つ場面では、小島がリング上で「いっちゃうぞ! バカヤロー!」と叫ぶのに合わせ、電光ビジョンには《いっちゃうぞ~》の文字が映し出され、まるで小島がイジられているように見えたものだった。だが、プロレスファンにしても、小島のことをまっとうに評価しているのかといえば、いくらか疑問も残るだろう。
05年、全日の所属となっていた小島は、三冠王者として古巣の新日本プロレスに参戦。IWGP王者だった天山広吉とのダブルタイトル戦に見事勝利して、全日の三冠と新日のIWGPを独占するという歴史的偉業を成し遂げている。
このことから、「小島こそ歴代ナンバーワンの日本人レスラー」という評価があっても良さそうなものだ。
しかし、実際には小島と同世代のいわゆる「新日第3世代」とされる天山や永田裕志、中西学との比較ですら、IWGPを10回防衛した永田や潜在的なパワーがケタ違いの中西のほうを、小島より上とするファンは多そうだ。
小島がどこか軽く見られてしまう理由としては、99年の迷セリフ「俺たちは1+1で200だ! 10倍だぞ10倍!」の影響もあるだろうか。
これについて小島は06年、自身のブログで《確かに数学は苦手でしたが…》と単純な計算ミスであったことを明かしている。
プロレス界では“変人”が好まれる
このような自分の間違いを素直に認める素直な性格も、一般社会であれば高く評価されるところだが、プロレスの世界では必ずしもそうはならない。小島のような常識人よりも、むしろ世間的に「変人」と思われるぐらいのほうがファンの支持を得たりする。ジャイアント馬場とアントニオ猪木なら猪木、長州力と藤波辰爾なら長州、闘魂三銃士なら橋本真也といった具合で、およそ一般社会では通用しないようなエキセントリックな性質を「スター性」と捉えるプロレスファンは多い。
その点で小島は真逆のタイプで、一時期にホモ説が流れたときにも、そんな話は放っておけばいいものを、大真面目にブログで取り上げて反論したりもする。
とはいえ、そんな小島の真面目さがプラスに働くこともあるわけで、10年に全日を退団した後、新日に再入団することになったのも、新日側が小島の人柄を買っていたからに違いない。
40歳での再入団となってからも、テンコジタッグの復活、自身二度目となるIWGP王座獲得など、トップ戦線で活躍。最近は海外にも進出している。
昨年に50歳を迎えた小島だが、その明るく爽快なファイトは健在で、観客と声を合わせての「いっちゃうぞ!」は、今も新日名物として会場の盛り上げに一役買っている。
《文・脇本深八》
小島聡 PROFILE●1970年9月14日生まれ。東京都江東区出身。身長183センチ、体重108キロ。 得意技/継承ウエスタン・ラリアット、いっちゃうぞエルボー、コジマ・カッター。
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