競馬よりプロ野球の話題を先にするが、いやあ今年の日本シリーズは近年まれに見る面白さ！ スワローズ、バファローズがガップリ四つ。ついに〝神戸決戦〟まで持ち込まれた。スワローズ・ファンとしては木曜日に決めてほしかった、というのが本音だが、野球ファンとしてはまだまだ今週末も楽しめる！ ということで得心した。
さて、競馬に戻ろう。先週「大荒れの次のGⅠはさすがに荒れないだろう」と書いた通り、やっぱりマイルCSは荒れなかった。馬連はズバリ大本線だったが、いかにも配当が安い。おまけに3連複は、見切ったダノンザキッドにハナ差3着を持っていかれ、当方は、トリガミ興行の憂き目に。もしインディチャンプが3着に残っていたならプラスだったのに、と舌打ちしたっけ。3連複も、2千円弱では荒れたうちには入らないだろう。ボクが印をつけた6頭のうち5頭が6着以内に入り、余計なのは3着のダノンのみ。予想としては優秀に映るが、見返りは少ない。それも競馬の真実さ。
何度思い返しても、グランアレグリアはマイルならやっぱり強かった！ 見事〝引退興行〟に花を添えたしね。3歳シュネルマイスターも食い下がったが…でも、来年は〝マイルの王者〟に君臨するだろう。と、先週の話はこのあたりまでにして、秋競馬の締めくくりはジャパンカップだが、今年のメンバーを見ると、これまた〝荒れそうにない〟印象が強い。コントレイルはこれまた〝引退興行〟に花を添えそうだし、2番手もこれまた思い入れのあるシャフリヤールだし。またマイルCSのように〝2強〟を軸に、ヒモは3～4頭流しでまとめるしかないのか。
この川田、福永は先週から復帰した遠征組。先週のマイルCSでは各々3、4着だったが、今週は国際的晴れ舞台のジャパンカップでワンツーをキメるか、興味津々である。あとは食指の動く馬が少ない。データ的にも外国馬はおそらく5着が精一杯と見た。ジャパンというそのものズバリの馬名を持つのも来るけど、〝こじつけ馬券〟は嫌いじゃないボクでも、要らない、だろう。コントレイル、シャフリヤールほか歴代のダービー馬ワグネリアン、マカヒキも出走するが、まあ馬券は買いにくい。
「一騎打ち！」と言い切る若さがボクにはない！
相手は、横山武に乗り替わるアリストテレス、ルメールが引き続き乗るオーソリティ、こちらもデムーロ騎乗継続のユーバーレーベンあたりか。勝負になるのはこの5頭と見た。5頭ボックスならば万々が一にでも〝2強〟がトンだ時、オイシイ馬券にはなりそうだ。
でも、例えば、アリストテレス、ユーバーレーベンのワンツーなんてあり得るのかなあ。アリストテレスやオーソリティはこのレースと相性が良いとは言えない前走京都大賞典組やアルゼンチン共和国杯組だし。ユーバーレーベンの秋華賞組は相性が良いが、馬券になったのは2着までに来ていた馬だった。ユーバーは13着で負けすぎか。以上のようにマイナス材料がある。競馬に絶対はないとはいえ（先日のエリ女のアカイイト、ステラリアのワンツーなんてこともあるわけだが）、本当は「アメリカまで走ってもコントレイルとシャフリヤールの一騎打ち！」とブチ上げたいのだが、そこまで言い切る自信も若さも、すでにボクにはないからなあ。
〝映画関連馬券〟としては、推奨馬の中ではなかなか見つからない。有力馬はすでに過去のこのコラムでほとんど扱ってしまったからだ。そこで初顔の外国馬から。まず、ブルームからそのままズバリの『ブルーム』（88年）を。人口の大半は失業中というイギリス北部の小さな町を舞台に、苦境にあえぎながらも夢と自由を追って旅に出る若者たち。青春映画の定番テーマとはいえ、瑞々しい佳作だった。ちなみに〝ブルーム〟とはエンジン音のこと。もう1頭、ジャパンからは『ZIPANG』（90年）を連想する。7つの刀を持つ男・地獄極楽丸（高嶋政宏）が大暴れするSFアクション時代劇で、主人公を狙う女賞金稼ぎ・鉄砲のお百合を演じる安田成美がキュートだった。と、2本を挙げたが、今回、馬券的には外国馬は買いませんので、来たらゴメンナサイ。
さて最終的な買い目は、②④⑦⑨⑭の馬連＆3連複ボックスだが、平らに買ってはガミの恐れがあるので、馬連②④は超々厚目、②から⑦⑨⑭は超厚目。④から⑦⑨⑭は厚目。3連複もこれに準じる、ということでいかがでしょうか。今週も荒れないよ、多分。
秋本鉄次
映画評論家。〝飲む・打つ・観る〟〝映画は女優で観る〟をモットーに、娯楽映画、中でも金髪女優の評論にかけては業界随一。著書に『パツキン一筋50年 パツキンとカラダを目当てに映画を見続けた男』（キネマ旬報社）など。