新庄剛志(C)週刊実話
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新庄・日ハムと原・巨人が禁じ手!? 「レンタルトレード」密約説

日本ハムが2016年にトレードで獲得した大田泰示外野手らを自由契約にし、話題になっている。


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行き先が巨人なら事実上のレンタルトレードの「返し」だが、見逃せないのが〝ビッグボス〟新庄剛志監督と〝スモールボス〟原辰徳監督のリーグと宗派を超えた大連合なのだ!


単なる道化師なのか、稀代の策士なのか――。皆目見当がつかない新庄剛志監督だが、実は原辰徳監督とは目指す野球観は近い。


近年のプロ野球はMLB流の「フライボール革命」が主流だ。ゴロ打ちを避け、打球に角度をつけて打ち上げることを推奨する打撃理論で、本塁打数の増加を生み、メジャーリーグ、そしてパ・リーグを席巻した。


一方、原監督がこだわるのは、巨人軍の伝統に裏打ちされたドジャース由来の「スモールベースボール」。ホームランに依存せず出塁した走者を犠打やヒットエンドラン、盗塁で確実に次の塁へ進め、内野ゴロや犠牲フライで本塁へ生還させて確実に1点を取る野球だ。


「今や原監督は〝スモールボス〟と揶揄されている。掲げるスモールベースボールの賛同者は少数だが、強い味方が現れた。それが、新庄監督。就任会見でいきなり『ヒットを打たなくても点は取れる、作戦面での面白さ、こんなやり方があるんだ、を発信したい』とぶち上げた。彼の師匠は、スモールベースボールを得意とした故・野村克也監督。両者が意気投合するのは頷ける」(スポーツ紙デスク)


その期待に応えたのか、新庄監督は早速、巨人寄りのチーム編成を実行し、球界に波紋を広げている。それが、今回の大田らの自由契約で、プロ野球協約で禁止されている「期限付きレンタル移籍」ではないかという波紋を呼んでいるのだ。


日本ハムは16日、国内FA権を持つ大田のほか、海外FA権を取得した西川遥輝外野手、国内FA権を持つ秋吉亮投手の3選手に来季の契約を提示せず、事実上の自由契約に。これで巨人は見返りの補償選手なしに3選手の獲得が可能になった。


08年ドラフトで巨人に1位入団し、日本ハムに移籍した大田は東海大相模高の後輩で、原監督の秘蔵っ子。チームを離れたのは、監督が高橋由伸氏に代わり、読売本社サイドが当時の日ハムの左腕エース・吉川光夫の獲得を決め、交換要員に指名されたからだ。

新たなトレード様式として定着!?

「11月、原監督は契約を3年延長しましたが、外野手の亀井善行が今季限りで引退することなどから、大田の呼び戻しを求めました。しかし、FAやトレードでは新たな交換要員が必要。思い悩む原監督に忖度し、新庄監督が自由契約にして大田を差し出したのが真相です」(巨人担当記者)

年俸2億4000万円(金額は推定、以下同)の西川、同5000万円の秋吉をバッサリ切ったことについて稲葉篤紀GMは「ノーテンダー(保留権の放棄)にすることで移籍しやすい環境を整えた」と説明。これで球団は大田も合わせ4億2000万円も支出を抑えられ、FAの足枷を外すことで選手の他球団移籍が容易になるとメリットを説いた。視線の先にあるのは、巨人との「人的交流」だ。


過去の反省から、巨人は補償選手が必要なFAでの選手獲得には懐疑的だったが、自由契約での獲得なら大歓迎。西川は今季四度目の盗塁王を獲得し、秋吉は最速150キロの変則右腕。中継ぎの主軸に計算できる。


これだけだと、ビッグボスによる原巨人への「片八百長」にも映るが、当然、見返りも計算している。巨人の二軍で埋もれている選手の調達だ。投手では高木京介、戸根千明、桜井俊貴、野手では石川慎吾、重信慎之介、湯浅大、秋広優人…。かつての大田がそうだったように、巨人のファームには出番に恵まれない有望な若手がゴマンといる。彼らを4、5年程度預かり、いずれ古巣に…。巨人のファームを兵站庫にする戦略だ。


あらかじめ返却を確約してトレードするのは野球協約に抵触するが、新庄監督が戦力外と判断して自由契約にすれば問題ない。


「新たなトレード様式として定着するのではないか」


球界では早くもそう警戒する声が囁かれている。


そのお膳立てとなったのが、両球団が今年8月に実施した中田翔の緊急避難的な巨人移籍だ。原-栗山英樹監督(当時)のホットラインで急展開したが、日本ハムのヘッドコーチだった小笠原道大氏が今オフから巨人の二軍打撃コーチに就いたことで、さらに関係が密になった。双方の戦力状況は掌握済み。今後、両球団の人的交流は、いっそう拍車がかかりそうだ。