
老舗『わらび座』が民事再生…コロナ禍で窮地の劇団経営~企業経済深層レポート
11月2日、秋田県仙北市の劇団『わらび座』が、秋田地裁に民事再生法の適用を申請し、同日付で手続きの開始決定を受けた。日本では『劇団四季』や『宝塚歌劇団』に次ぐ規模で、年間約25万人の観客動員数を誇っていただけに、演劇界に衝撃が走っている。劇団関係者がこう語る。
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「ジェームス三木、内館牧子、ラッキィ池田など著名なクリエーターからも協力を仰ぎ、オリジナルミュージカルを国内外で公演してきました。〝秋田の宝〟と呼ばれた劇団だけにショックです」
わらび座は1951年創業、71年設立。今年で70周年を迎えた老舗劇団で、本拠地の仙北市では東京ドーム2個分という広大な敷地内に『あきた芸術村』を展開し、劇場はもちろん温泉施設、農場、ホテル、地ビールの製造販売、森林工芸館などを運営していた。
そのため、多くの観光客とともに年間約150校、約2万人の修学旅行生が訪れ、観劇や農業体験など、さまざまなワークショップに取り組んでいた。演劇を通じて地方経済の活性化に努めていたわらび座が、なぜ倒産に追い込まれたのか。民間信用調査機関の関係者が解説する。
「コロナ前は全国で年間1000回前後あった公演が、一気に中止に追い込まれたのです。さらに、修学旅行が軒並み中止となり、見る見る経営が悪化した。緊急対策として国の制度活用を模索し、地元企業や取引金融機関の支援によって何とか事業存続を図ろうとしたが、ついに力尽きギブアップしたのです」
負債総額は約14億4600万円だが、ゆかりのある人たちは再起に期待を寄せているという。金融関係者が明かす。
「今後は新設した『一般社団法人わらび座』に事業を承継し、不動産大手のアパマン系列子会社が再生支援に入る。従業員約170人の雇用も継続するようです」
『劇団四季』も綱渡りの運営
ところで、経営難に追い込まれたのは、わらび座ばかりではない。日本の商業演劇を代表する劇団四季も、コロナ禍で一時は厳しい経営を強いられた。演劇ライターが解説する。「劇団四季は世界的にも最大規模の演劇集団です。東京、大阪、名古屋、札幌などを中心に、国内に7つの専用劇場を持ち、年間3000回以上の公演を行い、観客動員数は300万人をキープ。約220億円の売り上げを誇ってきました」
しかし、昨年は2月末から7月中旬までに約1100公演が中止され、約100万人の来場がストップしたことで、売り上げが激減。しかも、劇団四季は約600人の役者やスタッフを抱えており、たとえ公演が中止になっても、一定のギャラと施設維持費が発生する。
その結果、かつてない経営危機に直面した劇団四季は、「クラウドファンディング」に打って出た。つまり、インターネットを介して不特定多数の人から、資金援助を募ったのだ。
「どの程度の資金が集まるか、当初は手探りだったようだが、人気劇団だけに底力を見せつけた。目標額の1億円を4日で突破し、終了時点で2億円を超える支援が寄せられました」(同)
その後、劇団四季はどうなっているのか。経営コンサルタントが言う。
「昨年の夏以降からは、コロナ対策を取り入れながら観客を入れ、公演を再開しています。しかし、新たな変異株などが急速に広がれば、いつ昨年のように公演が中止になるか分からない。今はやや平穏を取り戻しつつあるが、相変わらず綱渡りの運営であることに変わりはありません。それだけに、わらび座の民事再生は他人ごとではない」
コロナ禍と会員高齢化というダブルパンチ
クラウドファンディングに頼ったのは、劇団四季だけではない。創立84年、我が国最古で最長の劇団『文学座』も昨年、無観客を強いられた時期には、クラウドファンディングで約2000万円を集め急場をしのいだ。文学座といえば杉村春子の『女の一生』で知られ、現在は江守徹を代表に据え、渡辺徹、角野卓造らが現役で活躍している。かつては北村総一朗、中村雅俊、橋爪功、内野聖陽らが所属していたが、そんな有名劇団でさえも、コロナ禍で苦境に立たされているという。前出の演劇ライターが言う。
「文学座の屋台骨を支えるのは東京での本公演と、全国の各演劇鑑賞会から依頼される旅公演だ。ところが、90年に全国で30万人前後いた鑑賞会会員が、現在は10万人以下。会員の高齢化で解散する鑑賞会も相次ぎ、旅公演による収入が不安定になっている」
文学座を含め各劇団は、コロナ禍と鑑賞会会員の高齢化というダブルパンチに苦しんでいる。前出の経営コンサルタントが解説する。
「政府や地方自治体は、以前よりコロナ禍での演劇支援を強化している。しかし、申請しても支援を得られるのはほんの一部で、とにかく時間がかかる」
劇団の消失が日本の文化に、どれほどの影響を及ぼすか計り知れない。わらび座の悲劇を繰り返さないように、即効性がある分かりやすい支援が必要だ。
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