
骨といえば、硬い石のようなイメージを持つ方が多いと思います。主にカルシウムとリン酸が結合した硬い組織ですが、骨には神経も血管も走っています。骨細胞や骨を作る骨芽細胞、骨を溶かす破骨細胞などが、骨の中で生きて活動しています。
骨の中心部には骨髄という柔らかい組織があり、血液の元になる細胞などが産生されます。さらに、体内のカルシウムやリンの濃度を一定に保つため、骨芽細胞や破骨細胞などの作用でカルシウムやリンを血中へ放出したり、吸収したりするなど、ダイナミックに活動しています。
このように、人間の骨は他の組織と同じように栄養をきちんと摂り、代謝しながら生きています。私も大病院で金属器具を用いて骨折を固定する手術をしていた頃は、「私が骨折を治すのではない。骨自身が修復し、癒合して治っていくのだ」と自分に言い聞かせていました。
骨の“しなやかさ”のために適度に体を動かそう
骨という組織は、コラーゲンというしなやかな細長いたんぱく質の繊維が、硬いアパタイトというリン酸カルシウムの中に張り巡らされた組織になっています。コラーゲンは骨や軟骨、皮膚や目といった様々な体の組織に存在し、弾力性としなやかさをもたらします。
骨は加齢により柔軟性が少なくなり、もろくなっていきます。カルシウムの摂取を増やすなどして骨を硬くするのも大事ですが、適度に体を動かすなど、骨のしなやかさを保つための取り組みも心がけるべきです。
監修/井尻慎一郎先生
井尻整形外科院長。医学博士。著書・監修書に『痛いところから分かる 骨・関節・神経の逆引診断事典』(創元社)、『筋肉のからくり 動かし方を変えるだけでコリと激痛が消える!』(宝島社)などがあるほか、論文、講演、テレビ出演などで活躍中。井尻整形外科HPは下記。
https://ijiri.jp
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