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JRA重賞『マイルチャンピオンシップ』(GⅠ)映画評論家・秋本鉄次の“ざっくり”予想!

(C)JRA
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参った! 天を仰いだ! 何がって、先週のエリザベス女王杯の結果である。ゴール前、先頭に踊り出たのはアカはアカでもアカイイト! と僕の聴いた実況では言わなかったが(翌日のサンスポでは見出しになっていた)、心の中ではそうリフレインしていた…。

競馬オールド・ファンなら察してくれるだろうか。かつての「ベガはベガでもホクトベガ!」の名実況を思い出したのである。

何と1着アカイイト、2着ステラリア、3着クラヴェル。ガビ~ン! である。長いエリザベス女王杯の歴史の中でも1、2、3番人気が、順に6、7、16着と掲示板にも載らず、クツワを並べて馬券圏外に沈んだ例はほとんどないはず。少なくとも今世紀に入ってからはないっ! 2009年にクイーンスプマンテ、テイエムプリキュアの馬連10万超馬券も荒れたが、それでも3着には1番人気ブエナビスタが入っていたのだから。

それにしても、先週の文中で「穴の筆頭はアカイイト。ご贔屓の幸騎手に乗り替わって期待したい」と書きながら、さらには〝映画関連馬券〟でも推奨していたというのに…。「さて競走牝馬のアカイイトも負けずに〝からんで〟(馬券的に)くれるだろうか?」とも書いたが、からむどころか、先頭でゴールインしちゃうんだから、何ともはや。逃がした魚はクジラよりデカかった、とさ。

さすがに単勝買いや軸で流すことはできなかった自分を恥じた。アカイイトとアカイトリノムスメの〝アカ・アカ馬券〟も惜しいところで不発に終わった。あとでよく見たら2着のステラリアは3枠アカ枠でやんの。そっちの〝アカ・アカ馬券〟だったのね。おなじみの、後で気が付く何とやら、トホホホ。こちらも気が付けば、だが、1、2着ともキズナ産駒の〝キズナ丼〟でもあった。

思えば、幸騎手も松山騎手もご贔屓だし、好きな騎手5人を5頭ボックスで買っていたら、馬連は当たっていたなあ、と競馬ファンあるあるの〝レバタラ談義〟をレース後に居酒屋あたりでしたかったが、独りじゃなあ。諦めて、カミさんとヤケで焼肉を食いましたヨ。ビールがホロ苦い! でも旨い! 実はワタクシ、子供のころから熱烈なスワローズ・ファンでして、今般の日本シリーズ進出を祝ってあらためて乾杯しました。エリザベスは完敗でしたが…。今週末は昼は競馬、夜は野球のゴールデン・コース。映画は? そんなもん観るヒマあるか! って、映画評論家にあるまじき問題発言ですな(笑い)。

“映画関連”はホウオウアマゾンからこじつけて…

で、大荒れの次のGⅠはさすがに荒れないだろう、と普通に考える。何しろマイル周辺の距離では、3歳最強シュネルマイスター、古馬最強グランアレグレアの2頭が出るのだから! 思えば、エリザベスの〝3強〟には各々距離不安、状態不安、ローテ不安が付きまとっていた(これも後で気が付く…なんだけどね)。その点、今回の2頭はほぼほぼ盤石と言っていい。勝つのはどっちか? シュネルには阪神コースが初めて、というわずかな懸念はあるが、克服してくれると信じよう。もっとも、エリザベスの例もあるように、何が起こるか解らないのが競馬であることは百も承知、二百も合点だし、今秋のGⅠは1番人気が連敗中という嫌なデータもあるが…。

相手も4頭に絞りたい。福永インディチャンプ、池添グレナディアガーズ、松山サリオス、坂井ホウオウアマゾンまで。エリザベスで大穴をあけた幸騎手のリプレーザはダート馬の印象が強いし、前走非重賞からの挑戦では苦しいだろう。穴人気にもなりそうだし。また幸だあ! になったらゴメンナサイ、である。それにしてもノーザンファームの馬が出走馬の約半数で、過去5年も馬券圏内のほとんどが同生産馬という寡占状態だが、成長力ナシと見たダノンザキッド以下はオミット。上記の馬たちで組み立てたい。

〝映画関連馬券〟としては、ホウオウアマゾンから、鳳凰。洋風ならフェニックスというわけで『飛べ! フェニックス』(66年)にこじつけてみた。近年リメークもされたが、やはりオリジナル版に愛着を感じる。サハラ砂漠に不時着したオンボロ輸送機の奇想天外な脱出作戦を描く快作で、『特攻大作戦』(67年)、『カリフォルニア・ドールズ』(81年)などでご贔屓の、娯楽映画の巨匠ロバート・アルドリッチの本領発揮となった大好きな作品だ。

さて最終的な買い目だが、シュネルとグランを軸に馬連③⑫はもちろんだが、③から①④⑦⑨、⑫から①④⑦⑨へ。3連複は③⑫縛りで①④⑦⑨へ。あまり荒れない、を前提でいかがでしょうか。

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