新庄剛志(C)週刊実話
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“新庄劇場”急展開! 巨人選手トレード補強とイチロー臨時コーチ

「新庄劇場」の本当の見せ場は、オフにやってくる。


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今や球界の主役で、〝ビッグボス〟こと新庄剛志監督によるチーム革命が止まらない。現有戦力の底上げは必須事項だが、その伝え方はド肝を抜くものばかりのようだ。


「上下真っ赤なジャージー姿で登場したかと思えば、今季一軍出場のなかった清宮幸太郎に『モテないよ』なんて言葉で肉体改造を勧めました。低い送球での外野からの中継プレーをさせるのに、ワゴン車の屋根に乗ったことも話題でした」(スポーツ紙記者)


これらすべて、言葉のチョイスが絶妙だった。


北海道日本ハムファイターズのチーム関係者によれば、清宮は将来の4番に、それも近年中に就くという。そして、吉田輝星をエースに育て上げるのが、新庄監督に課せられたチーム作りの主テーマのようだ。


「清宮は二軍で本塁打王のタイトルを獲得しましたが、スイング速度が遅く、レベルアップを図る上で肉体改造が必須です。タイトル獲得で自信を深めているところに技術面で意見するよりも、『痩せろ』と言われたほうがその理由を考えるでしょう。吉田も『速い!』と速球を素直に褒められ、ストレートで押す本来の投球スタイルに磨きをかけようと思うはずです」(チーム関係者)


しかし、新庄劇場は秋季キャンプを賑わすだけでは終わらない。選手のグレードアップの話だけではなく、「外部補強」もしっかり考えていた。そして、主役だけでなく、最高の助演役も出番を控えている。


「ヘッドコーチに就く林孝哉氏です。今季まで日ハムのスカウトでしたが、新庄監督の推薦でヘッドコーチ就任が決まりました」(前出・スポーツ紙記者)


その林ヘッドが新庄劇場を強力にサポートしてくれそうなのだ。

イチローが信頼を寄せる林ヘッドコーチ

林ヘッドはダイエー、日本ハム、千葉ロッテを渡り歩き、06年に現役を引退。輝かしい実績はないものの、その後はコーチなどの裏方業を務めてきた。新庄監督は林氏の堅実さ、几帳面ぶりを買ったそうだが、こんな話も伝わっている。

「若手時代、ハワイウインターリーグに派遣され、そこで同室になったのがイチロー氏でした。イチロー氏は自身が契約メーカーに特注していたバッティンググローブを林氏にプレゼントし、ほかの野球用具も貸していました」(球界関係者)


野球用具に繊細に気を配り、グラブに触っただけでも怒っていたイチロー氏には、異例中の異例のことだ。それだけこだわりが強かった彼が林氏に提供したというのだから、相当な信頼を寄せていたのだろう。


「同じチームになったことはありません。二軍暮らしの長い内野手だった林氏に対し、イチロー氏は外野手。でも、2人とも1つのプレーを忠実にこなすタイプで、相通じるものがあったんでしょう」(同)


新庄監督が林氏を参謀役に選んだ理由も、そのへんにありそうなのだ。


また、新庄監督はセンターバックスクリーンに監督用のベンチを置いてほしいとも注文していた。これは、外野から内野フィールドを見渡してチーム全体を把握し、守備面での作戦を組み立てていくつもりのようだ。同じ強肩外野手として、イチロー氏とも通じるものもあるはずだ。


「もし清宮や野村佑希らがイチロー氏に打撃面でアドバイスをもらえれば大きな財産になるでしょう」(同)


また、外部補強もある。就任会見とほぼ同時に前ブルワーズ傘下のレナート・ヌニエス内野手の獲得を発表しているが、これで終了ではない。新庄監督が最も強化したいのは外野。ヌニエスも外野守備経験はあるが、本職ではない。

新庄監督の好みに合致する選手

「狙いは、巨人との5年契約を終えた陽岱鋼ですよ。巨人移籍後の成績はパッとしませんでしたが、10月、二軍育成のフェニックスリーグに派遣され、チームトップの2本塁打を放ちました」(ベテラン記者)

陽自身も「まだヤレる!」と鼻息が荒い。ラストチャンスをモノにしそうだ。


この5年間、陽の打撃は湿りがちだったが、高い守備力が衰える気配はまったくなかった。外野フェンスを直撃する打球を追う際、落下地点に入ったような〝フェイク〟を見せ、走者を混乱させて次の塁に進ませないなど、数字には表れない守備センスは抜群だ。


これらは新庄監督の好みにも合致する。


日本ハムはこれまでFA権取得選手を引き止めず、30歳前後の降格選手に冷たいところもあった。しかし、こうした状況を改めるチャンスにもなるという。


「陽は今季で戦力外と見られていました。それが一転、巨人残留の方針であると伝えられたのは、新庄ファイターズとのトレードを見据えての決断だったのではと噂されています」(前出・球界関係者)


二岡智宏や大田泰示など、日本ハムと巨人は、これまで多くのトレードを成立させてきた。解雇で古巣に復帰させるより、トレードのほうが陽は傷付かない。


「日本ハムは中田翔の退団後、野手陣のリーダーがいなくなってしまいました。陽はまとめ役としても適任ですし、若い清宮、野村を使い続けていく上で、経験豊富なベテランは必要です」(前出・ベテラン記者)


チームのまとめ役がいれば、新庄監督もパフォーマンスに集中できる。助演とトレードに支えられ、新庄劇場はさらに盛り上がっていきそうだ。