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日本全国☆釣り行脚~『ニジマス』~新潟県湯沢町/湯沢フィッシング・パーク産

ニジマス釣り
ニジマス釣り(C)実話Web

「もうこんな時期か…。そろそろ〝アレ〟をやっておかねば…」

毎年、秋風が身体になじんでくるとこんな思いに駆られます。そんな思いを馳せる〝アレ〟とは、アユ釣りと渓流釣りのこと。地域によって若干の差はあるものの、どちらも遊漁が可能な時期が決められており、おおむね秋には禁漁となるのであります。

「今、やっておかねば来年まで楽しめなくなってしまう…」

急に思い立って行動を起こし、新潟県は越後湯沢を流れる魚野川にやって参りました。

「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった…」

こんな書き出しで知られる川端康成の代表作『雪国』の舞台となったこの地に、上越線に揺られて向かいます。やがて件の長いトンネルを抜け、群馬県から新潟県に。しばらく走って魚野川を渡ると…大渇水であった。

ワタクシの頭の中は真っ白に…。釣りにならねぇでねぇのよ。駅長さん、駅長さ〜ん!

冬のスキーシーズンがウソのような閑散とした、というより、まるで人のいない初秋の越後湯沢駅で下車。あらかじめ手配していたレンタカーに乗り込んで予定していたポイントに行ってみますが、車窓から見たとおりの大渇水…。本流筋ですらチョロチョロ程度の水量で、とても釣りになるような状況ではありません。さて、どうしたものか…。

最初からココを目指していたわけではない!

しばし考えた後、妙案が脳裏に浮かびました。

「そうだ、すぐ近くに『湯沢フィッシング・パーク』があるではないか!」

湯沢フィッシング・パーク
湯沢フィッシング・パーク (C)週刊実話Web

ここは魚野川を流れる清水を引き込んだ渓流ムード溢れる施設で、貸し竿が用意されているため手ぶらで訪れてもOK! あくまでも最初からココを目指していたわけではないので、核心を突くツッコミはご容赦ください。

そういったお手軽釣り施設だけに、大型連休や夏休みは家族連れで大盛況となるのですが、訪れたのが平日だったせいか駐車場は閑散としておりました。よかったよかった。

正直言いまして、こういう釣り施設でファミリーに交じってオッサンが1人で竿を出すのって、結構恥ずかしいモノがあるんです。独りで自分の竿をいじるのはそんなに恥ずかしくはないのですが…。

受付を済ませて渓流を模した釣り場へ進むと、清冽な流れの中にマスの泳ぐ様が見てとれ、気持ちが昂ります。澄んだ流れに見えるマス(サケ科全般)の魚影って、どうしてこんなに狩猟本能が刺激するのでしょうか。ドブ川でコイを見つけたときとは大違いです。

はやる気持ちを抑えつつ、エサのブドウ虫をハリに付け、流れが石の下に落ち込んでいる場所に仕掛けを入れます。直後、落ち込みへと走った魚影を視線に捉えるや「ググッ!」と明確なアタリが手元に伝わりました。OH〜! スレテナ〜イ!

ニジマス
ニジマス (C)週刊実話Web

こういった釣り堀に放たれた魚はエサや人影に対する警戒心が強くなる「スレた」状態となるのが常なのですが、ここではそんな心配は無用のようです。エサへの反応はすこぶるよく、ポンポンと2尾追釣できました。いや〜楽しい♪

ポイント変えを兼ねて広く見て歩くと、落ち込みには必ず数尾の魚影が見えます。試しに池のコイにエサをやる感覚でエサだけを投げ入れてみると、数尾のニジマスが勢いよくアタック! アレ…、ちょっと小ぶりでパーマーク(小判模様)のハッキリしたヤツが交じっていなかった?

流れの中、よ〜く目を凝らして見ると岩影に1尾だけパーマークの美しい魚体をこの目で捕捉しました。アレは、ヤマメでねぇか!?

こうなると、釣り人の性としてヤマメが釣りたくなるのですが、その顛末はまた次回にお話ししましょう。

香ばしい焼魚に河原でイイ気分!

ニジマスの炭火焼き
ニジマスの炭火焼き (C)週刊実話Web

この『湯沢フィッシング・パーク』では、釣った魚を施設内で炭火焼きにしていただけるという特典があります。さらにビールも販売しており、大自然に囲まれた抜群の環境で釣り立ての魚をアテにホロ酔いになれるのです。

さっそく洗い場で魚をおろして串を打ち、炭焼き場へ直行! 炭の管理は施設のお兄さんがマメに行ってくれ、空いている日には魚の焼き加減を見てくれるのでもう至れり尽くせり。私のニジマスちゃんも20分ほどでいいあんばいに焼き上がりました。せっかくですからせせらぎの見えるベンチに移動し、ノンアルコールビールとともにいただきます。

清冽な流れを泳いでいただけあって身にクセは感じられず、炭火焼きならではの香ばしさでホックホク。う〜ん、なんとも贅沢♪

スキーなどのウインタースポーツ場としてのイメージが強い越後湯沢ですが、夏から秋にかけてもこれまたいいもの。ノンアルを飲んでいたのに、すっかり気分よくなってしまいました。

三橋雅彦(みつはしまさひこ)
子供のころから釣り好きで〝釣り一筋〟の青春時代を過ごす。当然のごとく魚関係の仕事に就き、海釣り専門誌の常連筆者も務めたほどの釣りisマイライフな人。好色。

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