「FAで出ていった工藤監督を呼び戻したのは王会長です。王会長が見送りに行くことで、円満退団がファンにも伝わりました。王会長も内川を心配しているのでしょう。とすれば、いずれ内川も、王会長の指示でソフトバンクに帰還するかもしれません」(前出・在阪記者)
王会長に呼び戻されたのは、工藤監督だけではない。12年の現役引退後、野球界とは距離を置いていた城島健司氏も、今季1月からフロント入りしている。
また、こんな情報も漏れ伝わってきている。
「巨人とソフトバンクの間にはホットラインがあって、選手、コーチ人事の行き来が盛んな時期もありました。王会長は巨人OB会にも顔を出しています。そこで『内川を頼む』と伝えれば…」(同)
セ・リーグにはDH制がない。内川が守れるポジションは、一塁か外野だ。来季39歳という年齢を考えると、守備範囲の広い外野での起用は考えにくい。ただし、昨季、プロ19年目で初めてゴールデングラブ賞のタイトルを獲っており(一塁手)、今季出場機会に恵まれなかったものの「まだ走れる」という声がないわけではない。王会長のルートで巨人に行けば、一塁の中島、ウィーラー、外野では亀井善行、重信慎之介、石川慎吾らと出場機会をめぐって争うことになる。
阪神はベテランを切って浮いた分が補強資金か…
「広島の鈴木誠也は内川を慕っています。自主トレをともに行う仲で、左足でタイミングを取る打ち方は内川の指導によるものです」(同)
鈴木は22年オフのFA市場の目玉。その〝下準備〟ということもありそうだ。
一方の阪神が欲しがる理由は、内川の卓越した打撃理論かもしれない。
「ボーア(2.7億円)、福留(1.3億円)、能見(9500万円)、上本(4800万円)、ここに円満に引退する藤川球児の年俸2億円を足せば、7億円強が浮きます(金額は推定)。高年俸が期待できるのは阪神です」(関係者)
複数年契約を終える40歳の糸井嘉男(4億円)もどうなるか分からない。
こうしたベテランを切って浮いた分が補強資金にまわされると思われるが、今秋のドラフト会議を指して、「中日が即戦力投手を1人しか獲らなかったのは、大野が残留するからでは?」との声も聞かれるようになった。
大野の獲得レースで、阪神は中日に次いで2番手。内川争奪戦でも巨人の後塵を拝し、ヤクルトらとのデッドヒートが続いている。
特別な関係を持つ原巨人がオフも独走となるか、GT場外戦に注目だ。
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