エンタメ

JRA重賞『アルゼンチン共和国杯』(GⅡ)映画評論家・秋本鉄次の“ざっくり”予想!

(C)JRA
(C)JRA

先週の天皇賞・秋の予想は「1点なら福永騎乗コントレイル、横山武騎乗のエフフォーリアの馬連…」と記して大的中! ウオッシャ! と快哉を叫んだのだが、いかにも配当が低い。

馬連390円。枠連(400円)の方が10円上、というのもなんか癪に障るなあ。

とにかく石屋の小僧も驚いた、ってぐらい堅い。堅すぎる。個人的にこういうのを〝田山馬券〟と呼んでいる。何故って? 田山花袋(たやま・かたい。『蒲団』などで知られる明治の作家)って言うじゃないの、って、いきなりボケかまして失礼しました。

まあ、配当が低いのは最初から解っているのだから、この大本線一本に徹し切れない自分が情けない。結局他にも穴馬とかに何頭かチョロチョロ流しているのだから世話はない。3連複も的中とはいえ、グランアレグリアが3着なのだから、350円の低配当も無理もなく、トリガミ3連複になってしまった。幸い、馬連①⑤は超厚目に買ったのでトータルプラスにはなったものの、もし3連単にも手を出して、コントレイル頭固定で買ってたら、危うく赤字になるところだった。先週の最後に「どうも3連単下手なので、やはりやめよう」と〝勇気ある撤退(?)〟を記して命拾いした。今後も、君子危うき(3連単)に近寄らず、を原則としよう。

さて、気付いてみれば、菊花賞に続いて、横山武、福永、ルメールの〝3人の世界〟だもの。当分この3人はGⅠでは外せないのだろうか。先週も、さすがに2週連続〝騎手3強〟では決まらないだろう、と思って、一応〝魔よけ〟のようにグランを入れておいただけなのに…。まあ3着に落ちた…のだからと言い訳すれば、距離適性が響く(直前の雨もマイナス要素だったかも)、というレース前の自分の予想に少し胸を張りたい気分だ。レース後に藤沢師もルメールも「距離が長かった」と異口同音に語っていたし。3着にヒシイグアス(離れた5着)でも来ればなあ、とレバタラを言い始めたら競馬にならないっ、つーの。

アルゼン“チン”だけに珍名馬を探して…

で、力の入った天皇賞・秋の翌週はGⅠ中休み、谷間のGⅡアルゼンチン共和国杯。まあ、気楽に5頭ボックスで少し〝遊ぶ〟こととしたい。その昔、アルゼン〝チン〟だけに、ちょっとエロい、シモネタみたいな名前の馬が穴を出す、と言われていたっけ。この10年で言えば、13年の優勝馬アスカクリチャン(7番人気)とかね。

でもそんなオカルト予想はなかなか出ないもの。先週も「今週末は衆院選だけに当選が大事、だから〝トーセン〟の馬が来る、って珍説で横山和トーセンスーリヤも加えたい」としたら、馬場掃除もいいとこで、またしても恥をかいたもんなあ。ざっと今回のメンバーを見渡しても、そんなエロさを連想させる馬いるかあ? いないなあ。珍名に広げてもせいぜいゴースト=ユウレイぐらいか。土曜のファンタジーSにはアネゴハダ、ママコチャとかいるけど。珍名といえば、地方競馬ではアナウンサー泣かせのスモモモモモモモモ(スモモも桃も桃)という馬が勝利したことが話題になっていたっけ。

アルゼンチンは、珍名にこだわらずボックス馬券で買いたい。まず、2週連続GⅠ制覇で乗りに乗る横山武騎乗のアンティシペイト。続いてこのレース連覇がかかるルメール騎乗のオーソリティ。福永は海外遠征なので今回騎乗馬はない。今度は横山武、ルメールの〝2人の世界〟になるのか? 加えて岩田望騎乗のフライライクバード。デムーロ騎乗のマイネルウィルトス。ディープインパクト産駒との相性はなぜか良くないレースなのだが、敢えて大野騎乗のサトノソルタスあたりまでか。

さて〝映画関連馬券〟としては、鳥のように飛べ、という意味のフライライクバードから『レディ・バード』(17年)はいかがか。人気若手女優シアーシャ・ローナンが主演し、田舎町で冴えない日常を送る17歳の女性が旅立ちの時を目指すビターな青春映画で、さしずめアメリカ少女版『祭りの準備』(75年、黒木和雄監督作)のような味わいの佳篇であった。

最終的な買い目だが、馬連&3連複とも③⑤⑩⑫⑮のボックスでいかがでしょう。来週からのGⅠ戦線に再びに弾みを付けたいところ。

秋本鉄次
映画評論家。〝飲む・打つ・観る〟〝映画は女優で観る〟をモットーに、娯楽映画、中でも金髪女優の評論にかけては業界随一。著書に『パツキン一筋50年 パツキンとカラダを目当てに映画を見続けた男』(キネマ旬報社)など。

あわせて読みたい