9月末に現役を引退した元横綱・白鵬の間垣親方。10月16日には親方たちの研修会に、初めて濃紺のスーツと金色のネクタイ姿で出席し、「(慣れるのは)まだこれからですよ」と言って照れ笑いを浮かべていた。
いよいよ親方業のスタートだが、引退した力士が真っ先に手がけるのが「引退相撲」で、これは十両以上に30場所以上いた力士が行える特権の一つ。会場として両国国技館を使用できるほか、必要経費を除いた収入はすべてその力士の懐に入る。第2の人生の元手を得る大事なイベントだ。
そのため、有資格者たちは引退から1年前後をめどに、先を争うように都合のいい日を押さえる(東京で開催される初、夏、秋場所の終了後に行われることが多い)。
当然、間垣親方も比類なき実績と人気を誇る大横綱だけに、来年の夏場所後か、秋場所後あたりに大々的に引退相撲を行い、マゲを切った姿をお披露目すると思われていた。ところが、いまだに何も決まっていない。
というのも、この2年はコロナ禍の影響で、引退相撲が相次いで順延になり、大渋滞を起こしているからだ。現在、頭にチョンマゲを乗せたままでいる引退相撲の待機者は、間垣親方を含めて大量13人もいる。
白鵬の順番は早くて2年後か3年後…
「引退相撲はお客を入れないと収入にならないので、なかなか強行できません。もっとも、中には早くスッキリしたいと、10月初めに限定した人数だけで行った君ヶ浜親方(元関脇・琴勇輝)のような例もあります」(大相撲担当記者)
最近、ようやく感染が収まってきたことで、来年あたりは引退相撲ラッシュになりそうだが、間垣親方の順番は早くて2年後か3年後になるという。
引退相撲が遅れれば、当然、1億円以上は堅いといわれる収入もなかなか入ってこない。東京の一等地、日本橋に20億円かけて建設予定の「間垣部屋」にも、影響が出るだろう。
間垣親方は意外な敵に苦戦している。
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