菅義偉前首相が真っ青だ。横浜政財界に絶大な影響力を持ち、かつては菅前首相の強力な後ろ盾として君臨してきた〝ハマのドン〟こと藤木幸夫・横浜港ハーバーリゾート協会会長が、10月31日投開票の衆院選で立憲民主党の岡本英子候補を応援しているからだ。
神奈川県の自民党県議が真顔で懸念する。
「菅前首相はマジでヤバい。まさか藤木さんが、岡本氏の出陣式に駆け付けるとは思ってもみませんでした。その出陣式で『横浜市長選の再来を。岡本氏に当選してほしい』と大々的にぶち上げた。これで相当な保守票が岡本氏に流れますよ」
藤木会長といえば、8月の横浜市長選でカジノを含む統合型リゾート(IR)を推進する菅前首相と、ガチンコバトルを展開した御仁。結果、菅前首相が全面支援した小此木八郎元国家公安委員長は、藤木氏が応援した現市長の山中竹春氏に18万票差でボロ負けし、菅退陣の引き金となった。その藤木氏が、今度の衆院選で菅前首相の追い落としに動き、野党統一候補の岡本氏にエールを送っているのだ。
選挙の地盤が盤石ではない菅前首相
「藤木さんの菅落選運動は単なるポーズではない。何しろ8月の横浜市長選では、菅前首相の地盤である神奈川2区(西区、南区、港南区)で、山中市長は小此木氏に2万票差もつけている。衆院選にそっくり当てはめると、菅前首相は岡本氏に負けるでしょう。菅前首相は選挙の地盤が盤石ではないですからね」(同・県議)
2009年、民主党政権誕生時の衆院選で、菅前首相は民主党候補に548票差まで追い詰められ、辛勝した苦い経緯がある。今回、岡本氏には野党共闘で、共産党が候補者を立てなかった。そこに藤木氏が岡本支援を打ち出したのだから、「09年の再来」と囁かれるのも、もっともな話だ。
「危機感を抱いた菅氏は9年ぶりに、公示日初日に異例の選挙区入りした。ハマのドンの影響力が気になるからでしょう。菅氏はコロナ収束を必死にアピールしているが、市民にとっては〝喉元過ぎれば〟ですからね」(政治担当記者)
大番狂わせは起きるか。
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