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中日・立浪監督「誕生」と西武・松井監督「取り消し」の全舞台裏

バンテリンドーム ナゴヤ
バンテリンドーム ナゴヤ (C)週刊実話Web

クライマックス・シリーズ(CS)進出の可能性が完全消滅した中日に待望の立浪新監督の誕生が確実となっている一方、同じく今季の終戦を迎えた西武は松井新監督の内定を取り消し、辻監督が続投に。

同時期の2つの人事は微妙にリンクしており、その背景には「スキャンダル帝王」の影が…。舞台裏を暴く――!!

ヤクルトの6年ぶりの優勝が目前となっているが、優勝争い以上に話題となっているのが、「ミスタードラゴンズ」立浪和義氏の12年ぶりのユニホーム復帰、中日監督就任だ。

巻き返しを図る中日は、10月早々に与田剛監督が退任し、球団OBで圧倒的な人気を誇る立浪氏の新監督招聘を画策。立浪氏は「ようやく来たかな、という感じ。断る理由もない。とにかく強いチームを作る」と所信表明し、すでに組閣に着手している。

「春夏の甲子園大会を連覇したPL学園高の同級生、片岡篤史氏(元阪神ヘッドコーチ)、1学年下の宮本慎也氏(元ヤクルトヘッドコーチ)、中日時代の同僚で日米通算404本塁打の中村紀洋氏、落合英二氏(韓国サムスン二軍監督)らの入閣が有力視されています。新陣容は今月中に発表される運びです」(地元メディア記者)

スムーズに政権交代が進む中日とは対照的に、混乱を極めているのが西武だ。こちらも10月初めに辻発彦監督の今季限りの退任方針を決定。後任に松井稼頭央二軍監督を充てる人事を内定していたが、中日が立浪氏に監督要請したことで急に尻込み。来季の「松井監督」がとん挫した。

一度は見切った辻監督を1年続投させ、松井氏には一軍ヘッドコーチでのトランジットを命じ、監督就任を先延ばし。前代未聞の〝監督人事差し戻し〟に「急に何が起きた?」の声が上がっている。

球界の島田紳助になりかねない…

この大どんでん返しは、中日の立浪氏への監督要請の直後に起きた。「極言すれば、その余波。この2つの出来事は微妙にリンクしています」と話すのは、スポーツ紙のベテラン記者。

「星野仙一政権以降、中日では常に監督候補の筆頭は立浪氏でした。しかし、親会社である中日新聞首脳の反対で招聘を見送り続けてきたのです。理由は、彼の私生活。絶大なコーチ能力と人気は認めるが、それを差し引いても危うすぎると。実際、今回も文春砲をはじめ、メディアが就任発表に手ぐすねを引いているようです。現役時代の立浪氏は〝スキャンダルの帝王〟。今でも叩けばホコリは出ると…。立浪氏が炎上すれば、新監督つながりで『松井氏にも火の粉が降る』と懸念した西武球団が監督交代を先延ばしにしたのです」

ざっと振り返るだけでも、現役時代の立浪氏には、大阪のホテルで20代の女性をレイプしたという報道(2004年)、前妻との離婚をほのめかして交際した梅宮アンナとの泥沼不倫(08年)、札幌のホテルでホテトル嬢を呼び、その際に薬物を使用したのではという疑惑(09年)…。多くは女性と下半身の問題だが、これが監督、コーチ就任の障害になっていたのは確かなのだ。

この10年余り、スキャンダルは報じられていない。だが、それはプロ野球の現場を離れ、一般人だったからだという声も。正式就任発表に合わせて各メディアは身辺を再調査しており、新たな事実が暴露される可能性はある。

「球団が最も警戒しているのが、〝その筋〟との交際です。過去のスキャンダルでは、『揉み消しに反社会勢力を利用した』というウワサや疑惑があったのも事実。立浪氏の現役引退後、名古屋の社会情勢は大きく塗り変わり、裏世界の実質的な首都とも言われています。ゴルフ好きで美食家の立浪氏は交遊関係が幅広く、人付き合いも悪くありません。親分肌ですが、脇が甘い。一歩間違えば、球界の島田紳助になりかねないのです」(全国紙の社会部記者)

小室圭さんの母親の金銭トラブルと同じ

親会社の中日新聞社は監督要請に際して〝身体検査〟を行い、大丈夫と判断したのだろう。しかし今後、過去の不適切な交際がすっぱ抜かれ、問題化する不安は拭えない。

この懸念が大きく影響したのが、今回の西武監督問題。当初の予定通り、今オフに松井二軍監督を一軍監督に昇格させた場合、立浪氏の炎上のあおりで松井氏の周辺も調査される。そこが心配されたのだ。

「食肉卸業を営む松井二軍監督の父親は、2年ほど前から金銭トラブルを抱えている。3500万円余りを用立てたとする人物が、詐欺だ、着服されたと、あちこちにリークしている。真偽はどうあれ、眞子さまと結婚した小室圭さんの母親の金銭トラブルと同じで、息子に罪はない。しかし、いま新監督に就けば、蒸し返されたり新たな金銭トラブルが飛び出す可能性も否定できない。なんで中日の新監督が立浪なんだ、間が悪すぎる…。西武関係者からは苛立ちの声が出ている」(スポーツ紙デスク)

松井氏は西武時代に遊撃手で7度ベストナインに輝き、日本人初の内野手としてメジャーリーグのメッツなど3球団で活躍。日本復帰後は楽天と西武でチームを支え、引退後は二軍監督で〝そのとき〟に備えてきた。

順風満帆の野球人生だったが、唯一の不安がこの父親の金銭トラブル。騒動がフェードアウトした矢先に立浪新監督が誕生し、再び暗雲が垂れ込め始めたのだ。

中日はコロナ禍で収益が落ち、立浪氏の人気に勝負を賭けたのだろう。だが観客と収益は増えても、グラウンド外のトラブルで混乱が予想される。まさしく諸刃の剣。その点、「安心安全運行」を社是とする西武は大事を取ってダイヤ改変を見送ったということか…。

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