原田龍二 (C)週刊実話Web
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心霊スポット巡りから霊を追い求める旅に変わって…~原田龍二の『不思議な世界』

前回の続きです。YouTubeチャンネル『ニンゲンTV』の企画で、〝降魔師〟のAさんとともに山形の心霊スポット巡りをしていた僕。


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行く先々で、Aさんが「六部(諸国霊場を巡礼する行脚僧)のような霊がいる」と言います。我々の目的地を先回りしているようだ、と。「嫌な予感しかしない」というAさんに対し、霊感のない僕ですが、なぜか「味方のような気がする」と感じていました。なんなら、「ツアーコンダクターとして僕らを導いてくれているんじゃないか」と思ったくらい(笑)。全く見えないのに、僕は六部の霊の存在を素直に受け入れていたのです。


Aさんは、最初のころは目的地にかなり近づいた地点で「あの霊がいますね」と言ってましたが、旅が進むにつれて、到着するかなり前から「あ、これはいますね」と言うようになりました。途中でかぶっている笠を上げたそうで、その顔は目が猫のようにぎょろっとしていて、少し人間離れしているとのこと。さらに新興宗教の跡地に着いたときは、笠を完全に脱いでいました。頭はつるんとした丸坊主だそうで、目の雰囲気から猫の霊かと思っていたのですが、Aさんはその姿を見て「人間の霊ですね」と言い切りました。


そうして話を聞くうちに、僕はだんだん六部の霊に親近感を覚えるように。「この霊は味方だ」という思いが、確信に変わっていきます。最初は不気味がっていたAさんも、後半は「全く怖くありません。〝味方に思える〟という原田さんの見解は、正しかったですね」と言ってくれました。

姿を見る前から「きっといる」と信じて…

そしていよいよ我々は、最後の目的地である滝不動へと向かいます。僕もAさんも、姿を見る前から「きっと六部はいる」と信じて疑いません。気が付けばこの旅は心霊スポット巡りから、「何か言いたげな六部の霊を追い求める旅」に変わっていました。行く先々に必ずいるし、逆にこの霊が我々を導いているかのようにさえ感じます。

到着した滝不動。僕とAさんは、車から降りました。するとAさんが「今まではただ〝居る〟だけでしたが、今回は言葉を伝えてきています」と言うのです。どうやらこの霊は、僕に伝えたいことがあるらしい、と。Aさんによると、原田龍二がどういう気持ちで生きているかを、六部が語っていると言います。詳細はぜひYouTubeで確認していただきたいのですが、六部の言葉は確かに僕が考えていたことでした。


それを聞いて、思わず涙が流れます。もしかしたらこの言葉を聞くために、心霊スポット巡りをしに山形まで来たのではないか…。もともとは滝不動で滝に打たれたいという企画から始まったこの旅ですが、結局実現できなかったのも、どうでもいいことで。滝不動が立入禁止になっていても山形へ行こうと思ったのは、六部に呼ばれていたからなのかもしれません――。(つづく)
原田龍二 1970年生まれ。ドラマやバラエティーで活躍する一方、芸能界きってのミステリー好きとして知られ、近著に『ミステリーチェイサー原田龍二の謎のいきものUMA大図鑑』がある。現在、『バラいろダンディ』(MX)で金曜MCを担当。YouTubeチャンネル『ニンゲンTV』を配信中。