野村克也氏の遺品 大阪球場跡で“恩讐超え”展示

かつての南海ホークスの本拠地、大阪球場跡地に建てられたショッピングモール『なんばパークス』内の「南海ホークスメモリアルギャラリー」に、野村克也氏の資料や遺品などが展示されることが、11月4日、南海電鉄から発表された。

同ギャラリーには、南海ホークスに在籍した名選手ゆかりの品や、栄光の記録が展示されている。しかし、野村氏関連の展示はこれまで一切なく、ホークスの歴史から抹消されてきた。

このような状態に、南海ファンからは「あまりにも不自然」という声が上がっていた。関係者の話によれば「野村氏が展示に関する許可を出さなかった」ということだが、これには監督辞任の経緯が影を落としているようだ。

野村家と南海…長年の確執にようやくピリオドが

「1977年、沙知代夫人(当時は結婚前)による公私混同が問題になったとき、野村さんは『チームを取るか? 女を取るか?』と球団に迫られ、そのまま去っている。その時の怨念ですよ」(スポーツライター)

野村氏は生前に「ホークスは好きだが、南海は嫌いだ」と公言していた。また、野村氏が死去した際、監督を務めていたヤクルトの本拠地・神宮球場には献花台が設けられていたが、南海メモリアルギャラリーに追悼の場はなかった。

だが今回、野村家と南海の双方が歩み寄り、長年の確執にようやくピリオドが打たれることになった。特設コーナーの開設は、野村氏の命日にあたる来年2月。改修費用はファンからのクラウドファンディングが中心となる。

「これで(ギャラリーも)スッキリした形になりました。OBとしてうれしいです。ノムさんも古巣に帰れることをさぞ喜んでいることでしょう」

今回のプロジェクトの発起人を務めた、南海OBで評論家の江本孟紀氏は、会見で胸をなで下ろしていた。