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「イクラ丼」「ウニ丼」が消滅…赤潮による大量死で仕入れ値高騰!

魚市場
魚市場 (C)週刊実話Web

北海道の中央部から東部にかけての太平洋沿岸で、9月下旬から赤潮による秋鮭やウニなどの大量死が見つかり、漁業者から「生活できない」と悲鳴が上がっている。

「赤潮は主に植物プランクトンが大量発生し、海水が赤褐色や茶褐色に色づく現象で、有害物質が魚のエラ細胞を破壊し、呼吸困難による大量死を引き起こす。今回の発生は、夏場の海水温の高さが影響したようです」(水産庁関係者)

十勝の豊頃町の漁港では、死んだ秋鮭が9月30日までに約4000匹に上っている。また、東部の厚岸町では、今年漁獲する予定だったウニの約8割が白く変色して死んでいた。

「被害額は現段階で約10億円。赤潮はさらに拡大するとみられ、今後4年間はウニ漁ができません。漁民はため息も出ないほど落ち込んでいます」(札幌の水産仲卸業者)

甚大な地球温暖化の影響…

昨年以上に秋鮭が不漁といわれる中での赤潮で、こちらの被害も拡大する見通しだ。

「今年は9月初めに漁が始まった際、3日間の水揚げ量が10トンで昨年の4分の1。一方、ブリは大漁が続いて、地球温暖化の影響が年々著しくなっています」(漁業情報センター関係者)

ただし、鮭は大量に輸入しているため、たとえ不漁でも販売価格はさほど変わらない。

「問題はイクラ。この時期に捕れる秋鮭はイクラの質がいい。しかし、値段は100グラム1200円と昨年の倍になっています」(東京・豊洲市場水産仲卸業者)

道内の海鮮料理店では、名物のイクラ丼やウニ丼がメニューから消えた。

「首都圏でもイクラ、ウニの価格高騰が予想され、高級珍味には庶民の手が届かなくなりますよ」(前出・札幌の水産仲卸業者)

食欲の秋も、庶民には寂しい秋になりそうだ。

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