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住吉会と稲川会との間で結ばれた“平和条約”正式締結の裏側

住吉会(関功代表、小川修司会長=東京)と稲川会(内堀和也会長=同)との間で、かねてから話し合われていた〝平和条約〟が、ここへきて正式に結ばれた。

互いの縄張りを遵守する基本方針を元に、詳細な取り決めが交わされたのだ(以下、要約)。

1、守場所内の紛争は厳禁とし、反した当事者と当該組長は破門とする

2、紛争が起きた際は即時に阻止し、両会執行部預かりとして、指示に従わない者は破門とする

3、組織名を確認した上での紛争、銃器使用は厳禁とし、反した者は破門とする

4、両会執行部は紛争案件に関して和と友誼を最優先に解決し、片方の組織に偏ってはならない

5、両組織は意思疎通を図り、両会会合でも末端会員にまで厳重指導する

決定事項では、違反した者への厳しい処分と、トラブルの際に現場レベルで話し合いを行わず、組織運営を担う両組織の執行部で対応するという点が強調されている。また、書面には《侠道の戒律を犯さず『仁義不犯』原理原則を遵守する》とした上で、これは両組織の《未来永劫の友好の礎になるべく決定》したとあり、両執行部の実印も押されていたという。

双方とも平和を重んじる気持ちは同じ

なぜ、この〝条約〟が交わされるに至ったのか。ある他団体幹部は、こう話す。

「一昨年1月に、神奈川県川崎市内の自宅前で、稲川会系組長が家族と一緒にいたところを拳銃で襲撃された事件があって、のちに住吉会系組員らが逮捕された。その逮捕の直前に当たる今年3月にも、群馬県伊勢崎市で住吉会傘下と稲川会傘下との間で衝突が起きて、親戚関係の解消も噂されるほどの緊張状態になったんだ。川崎襲撃事件の逮捕者たちは釈放されたが、そこの組織のトップは謹慎処分になった。それ以前からも、トラブルが頻発していたために、衝突を回避することを目的として今回の約束が結ばれたんじゃないか」

〝条約〟には、当事者のみならず上の立場である「当該組長」の破門処分も、盛り込まれている。

「稲川会の最高幹部は全員が二次団体の総長だが、住吉会では三次団体トップも役職に就いている。『当該組長』がどこまでを指すのかは明確にされていないが、双方とも平和を重んじる気持ちは同じだろう。衝突が起きれば逮捕者も出て、警察の取り締まりも厳しくなっていく。当人が意図していなかったとしても、縄張り荒らしに当たる行為はデメリットしか生まないということだ」(同)

今回の締結は、両組織の友好の証といえそうだ。

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