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六代目山口組が絆會“攻撃指令”の全容――次なる狙いが明らかに!

(C)週刊実話Web 

分裂終結を急いでいるとみられる六代目山口組(司忍組長)の〝次の一手〟が、浮き彫りとなった。

「各ブロックで会合が開かれ、そこで切り崩しについての注意点があったようだ。神戸山口組(井上邦雄組長)のほうの山健組には手を出すな、という釘を刺す内容だったらしい。まあ、五代目山健組(中田浩司組長=兵庫神戸)が処分した面々だから、戻すわけにはいかないのだろう。ただ、絆會(織田絆誠会長)に対しては、組員引き抜きを容認する話も一部では出たと聞く」(他団体関係者)

五代目山健組トップの中田組長は、三代目弘道会(竹内照明会長=愛知)系組員への銃撃事件によって逮捕、起訴され、勾留中の昨年7月に拘置所から神戸山口組脱退を表明。一部の直系組長は神戸側に残留したため、五代目山健組は與則和若頭を筆頭に最高幹部らに対する処分を出していた。

1年以上もの間、独立組織として活動し、六代目山口組は『五代目山健組に手を出すな』として静観し続けてきた。だが、水面下では話し合いが行われていたようで、双方の最高幹部同士が顔を合わせたのち、9月16日に六代目山口組へ中田組長が「幹部」として帰参することを発表したのだ。

「五代目山健組は渡辺芳則・五代目山口組組長の出身母体で、名門中の名門だ。そこが神戸側の中核組織でもあったが、脱退したのちに六代目側に戻ったとなれば、神戸側の大義が崩れかねない。だからこそ五代目山健組を戻すのは、分裂終結に向かう六代目側にとって、必須の案件だったといえる。その五代目山健組が処分を下した背景があるから、神戸側の直系組長を引き入れるのは筋が違うというわけだ」(同)

一方、絆會の勢力にも元山健組の面々が含まれているが、六代目側内で〝切り崩し指令〟とも取れる内容が出たのは、なぜか。

「神戸山口組の若頭代行だった織田会長たちを筆頭に、山健組直参の3分の1が離脱した当時、まだ山健組は井上組長をトップとする四代目体制だった。神戸側と絆會の間では、射殺事件も起きて対立が深まっていたから、しばらく六代目側は様子見だったが…。

絆會発足(当時は任俠山口組)から約1年後、弘道会による切り崩しが始まり、野内正博若頭の野内組や、松山猛統括委員長の十代目稲葉地一家などに複数の直参が移籍した。今回の絆會に対する内容は、四代目山健組時代の直参たちだから、五代目山健組の処分者とは意味合いが違うということになるのかもしれない」(同)

現在、六代目山口組と神戸山口組、さらに神戸側を離脱した池田組(池田孝志組長=岡山)、絆會が存在し、山口組は四分裂状態にある。名門組織である五代目山健組はもちろん、池田組や絆會とて、もともとは菱の代紋の下にいた組員ゆえに、勢力を取り戻すことは、六代目側の重要戦略の一つと考えられる。

弘道会に新たな直参が

「五代目山健組の中田組長は六代目側の処分者ではないから、当人も含めて組織ごと帰参させる形になった。絆會の織田会長に対しては、以前に〝永久追放〟を通達しているため、六代目側は切り崩しという攻め方に終始したのではないか。

池田組に関しては、池田組長に最も重い絶縁という処分が下されており、当人は戻れないが、勢力を吸収しようと動くはずだ。優先順位があるのかは分からないが、六代目側は時期を見ながら着実に終結への歩を進めている。絆會への切り崩し容認の話が出たということは、五代目山健組の次に攻める矛先が絆會に向いているように感じる」(同)

昨年9月には、長野県宮田村で銃撃事件が発生した。絆會の金澤成樹若頭が、中核組織を率いた宮下聡・四代目竹内組組長(現・三代目)に向けて発砲。金澤若頭は殺人未遂容疑で全国指名手配され、現在も逃亡中だ。背景には宮下組長が竹内組勢を引き連れて、六代目山口組に移籍する動きがあり、それを阻止するための凶行だったとみられた。

事件直後から、長野県松本市にある竹内組には弘道会勢が詰め掛けて本部を〝占拠〟。すでに、移籍は決定事項であったことが判明したのだった。その後、宮下組長は弘道会の直参に取り立てられ、現在は「幹部」のポジションにある。

「分裂当初から長野県では神戸山口組との衝突が頻発し、射殺事件も起きた。六代目山口組は神戸勢からの〝長野奪還〟も、重要な目標として掲げていたことが分かるだろう」(業界ジャーナリスト)

また、直近では東北地方からも六代目側への移籍があった。神戸山口組傘下山健組で、秋田県に本拠を置く島田潔希元若頭補佐らが、弘道会傘下に入ったのだ。

「8月中旬、弘道会傘下の野内組への移籍報告書が出回った。山健組の2つの直系組織が一本化されて、兼勝会を名乗ることになり、トップに島田会長が就いていた。弘道会勢が、さらに東北地方での勢力を強めたわけだ」(同)

その島田会長は、10月5日付で弘道会の直参に取り立てられている。

「49歳で今の業界内では若い世代に当たるが、筋を重んじ、若い衆からの人望も厚いと聞く。何より、山健組時代は弘道会の東北勢とも対峙してきたというから、肝の据わった人物なのは間違いない。弘道会内でも期待される直参の一人だ」(同)

携帯での会話に注意通達

六代目山口組の対立の〝本命〟といえる神戸山口組には、五代目山口組時代の宅見勝若頭を初代とする二代目宅見組(入江禎組長=大阪中央)が存在する。その宅見組からも六代目側への移籍が相次ぎ、森嶋弘道・森嶋興業組長が弘道会の「幹部」となっている。

「宅見組に対しては、あまり活発に切り崩しを掛けている印象はないな。別に組員の引き抜きを禁止しとるわけやないけど、五代目山健組と同じように、山口組の名門組織やからと思うで。ただ、五代目山健組が最終的には戻ったように、六代目山口組には何らかの思惑があるのかもしれん」(関西の組織関係者)

六代目側の各ブロック会議では、神戸山口組傘下山健組からの引き抜きを禁止する他に、生野靖道若頭補佐(四代目石井一家総長=大分)が大分、宮崎両県警に組織犯罪処罰法違反(殺人未遂)の容疑で逮捕された影響からか、携帯電話を使用した際の言動に注意する旨も通達されたという。

また、分裂の「年内終結」を目指すという意思確認も行われた模様で、今後、六代目山口組の攻勢が、さらに加速するものと思われる。

それによって抗争が再燃する可能性もゼロではないためか、取り締まる側の警察当局は実態把握に躍起だ。10月5日には、警視庁が40人態勢で総本部を家宅捜索したのだ。

「直参の田堀寛・二代目名神会会長(愛知)が、他者からのいわゆる名義貸しで高級タワーマンションの一室を購入したとして、電磁的公正証書原本不実記録・同供用の容疑で逮捕されとった案件でのガサやった。せやけど、田堀会長はガサの翌日に釈放されとって勾留期限ギリギリやったから、単なる警察のアピールちゃうか」(地元記者)

総本部は昨年1月からの特定抗争指定によって使用が禁止され、約1年9カ月もの間、無人の状態が続いている。手入れすら許されないため、植木の葉がうっそうと茂り、駐車場にも雑草が生えているほどだった。

しかし、10月7日には警戒区域に定められていた岡山市が解除され、およそ1年3カ月ぶりに六代目山口組・二代目大石組(井上茂樹組長=岡山)本部の扉が開かれたのだ。

早朝から掃除道具などを持った組員らが待機する中、岡山県警の捜査員が姿を現し、4カ所の出入り口に貼られた特定抗争指定の標章を、手分けしてはがし始めた。力を入れてはがしに掛かる様子からは、標章が扉に張り付いた歳月の長さが感じられ、捜査員らの作業も難航した。ようやくすべてが取り払われると、組員が玄関扉の鍵を開け、感慨深げに中へと入り、すべての出入り口が開け放たれたのだった。

翌日には他県の直系組織の関係者らも応援に駆け付け、大石組本部の使用再開に尽力したという。警戒区域が解除されたとはいえ、同じ岡山市に本拠を置く池田組とは、いまだ対立関係にある。神戸山口組との抗争同様、六代目山口組の戦略に緊張が高まっている。

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