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楽天・石井一久監督の後任にサプライズ!? 巨人の突然のコーチ配置転換にも関係が…

(画像) Krakenimages.com / shutterstock

東北楽天ゴールデンイーグルス、石井一久監督の後任は、また「石井監督」――。

GMを兼任する石井監督が自身を解任、その後任に巨人の石井琢朗三軍野手コーチを招聘するサプライズ人事が進行している。一久夫人の木佐彩子さんと琢朗夫人の詩織さんは、あの「プロ野球ニュース」の先輩、後輩アナ。夫唱婦随の監督リレー!!

西武、中日、ソフトバンクの次期監督人事がスポーツメディアを賑やかす中、安泰と思われた楽天でも監督交代が本格化している。GMを兼任する就任1年目の石井監督が、V逸の責任を取らせる形で自身を解任。新監督を招聘する腹を固めたというのだ。

「この3年、楽天監督は平石洋介氏(現ソフトバンク一軍打撃コーチ)、三木肇氏(現楽天二軍監督)、現在の石井監督と、わずか1年ごとに代わっている。三木谷浩史オーナーの性格と言えばそれまでだが、この傾向はサッカーJ1のヴィッセル神戸でも続いている。今季の楽天は現在3位とはいえ、球界史上最高額の年俸9億円で田中将大投手を獲得しながら、優勝を逃してしまった。しかも、石井GMは前年最下位だったチームを3位に押し上げた平石氏、4位の三木氏を1年で解任している。これで続投させたら、他人に厳しく自分に甘いという誹りは免れない。案の定、巨人の現職コーチに次期監督を打診しているという情報がある」(スポーツ紙デスク)

楽天と巨人は、ともに監督がGMを兼任している。必要に応じて迅速にトレードをまとめるなど、〝ホットライン〟が機能しているのは周知の事実だ。

当然、原辰徳監督は楽天のチーム事情を察知しており、10月5日に微妙な人事を敢行した。それが、阿部慎之助二軍監督を一軍作戦コーチに、二岡智宏三軍監督を二軍監督代行に、そして作戦担当の石井琢朗一軍野手総合コーチを三軍野手コーチに配置替えした組織改編だ。

石井コーチの“異動”は原監督の配慮

シーズン最終盤で突然行われたベンチ改造の舞台裏を、巨人OBの野球解説者がこう明かす。

「スポーツ新聞は原監督の阿部への禅譲準備、いや、続投へ向けた内閣改造などと報じているが、肝は石井作戦コーチの三軍〝解放〟にある。漏れ伝わっている情報によれば、石井コーチから今季限りでの退団の申し出があり、楽天へ転身するのだと…。三軍異動は巨人を離れ易い環境を整えるための原監督の配慮ということ。そこから、今回の玉突き人事が始まった。彼の元には来オフの監督絡みで古巣・横浜DeNAからも誘いがあったが、原監督としてはできるならリーグが違って、かつ友好関係にある楽天に送り出したい。決して左遷ではない」

話を戻すと、楽天の石井全権監督が秋波を送るのが、巨人の石井コーチなのだ。石井コーチは広島のコーチ時代、田中広輔、菊池涼介、丸佳浩の〝タナキクマル〟を育て、ヤクルトのコーチ時代には村上宗隆を球界屈指の強打者に成長させた。その手腕を買われて、一久から琢朗への「石井監督リレー」なのである。

両者には、直接的な接点はない。しかし、糸を引いているとされるのが、石井監督夫人でフリーアナウンサーの木佐彩子さんだ。楽天担当記者が話す。

「木佐彩子さんはフジテレビの元看板アナウンサーで、『プロ野球ニュース』でキャスターを務めました。一方、石井コーチ夫人の詩織さん(旧姓、荒瀬)も元フジの女子アナで、こちらも『プロ野球ニュース』を担当していました。いわば、直系の先輩後輩。ともにプロ野球選手を夫に持つ関係で退社後も親交があり、石井監督が後任を探す中で夫人の助言から石井コーチが浮上したようです。三木谷オーナーも実績、人気を高く評価しており、両石井の〝監督リレー〟に障壁はありません」

“負の遺産”中田翔も楽天へ!?

さらに今オフのFA市場の目玉とされるのが、2018年の最多勝投手に輝いた広島の大瀬良大地と、今季プロ入り初めて二桁勝利をマークした久里亜蓮。ともに14年カープ入団組で、石井コーチは当時、広島で一軍内野守備・走塁コーチを務めており、面識はある。

楽天は田中のほか、涌井秀章、則本昂大、岸孝之、早川隆久の「最強5本柱」に赤ヘル投手のどちらかが加われば、来季の優勝はぐんと近づく。石井コーチの監督招聘はFA戦略面でも有利で、石井GMの狙いはそこにもあるわけだ。

「昨オフの監督交代では、最終的に石井GMの監督兼任となったが、本命の候補は石井コーチだった。しかし、丸佳浩へのフォローのために巨人が退団を認めず、契約満了を待った経緯がある。そこで今季はペナントレース終了を待たず、フライング覚悟で獲得に動いたのだろう」(前出・デスク)

巨人にとっても、メリットはある。行き場のなくなった中田翔の処遇だ。批判覚悟で8月20日に日本ハムから獲得したものの、今や負の遺産。原監督が続投しても阿部巨人になったとしても、契約延長は難しい。

しかし、日ハム時代には打点王を3回獲得した実績があり、パなら蘇る可能性は十分。ましてや、大砲不在の楽天なら双方にメリットが生じる。

その橋渡し役こそ、石井コーチなのだ。原監督が、快く送り出そうとしているのもうなずける。

楽天がクライマックス・シリーズを勝ち上がり、逆転で日本一を手にすれば話が違ってくる。しかし、このままでは、楽天はプロ野球では例を見ない4年連続の監督交代となる。

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