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最恐ロケ!「1人置いていけ」とモノノケに言われ…~原田龍二の『不思議な世界』

原田龍二
原田龍二 (C)週刊実話Web

前回の続きです。YouTubeチャンネル『ニンゲンTV』の企画で、山形県を訪れた我々。〝降魔師〟のAさんの案内で、上山市の山頂にある新興宗教の跡地に向かいました。

実は僕らは旧関山トンネルからジャガラモガラへ行く途中、コンビニに寄っています。ここで食べものを買っておかないと、のちのち困りそうだなと思ったから。買い物を一通り終えて、僕はAさんの車に乗り込みます。そこでAさんが突然、「バックミラーに修行僧が見えた」と言いだしました。コンビニ前には果樹園が広がり、その果樹園の前に修行僧がいる、と。僕には全く見えませんが、見える人を否定する気はないので、話を聞き続けます。Aさんは「六部(諸国霊場を巡礼する行脚僧)のような格好をしていますね。笠をかぶり白い着物を着て、手甲と脚絆をつけ、錫杖を持って立っています」と説明してくれました。

そして到着した上山市山頂。夜景を見に来ているカップルが複数います。ふと見ると、森の中へ続く道があり、Aさんに導かれて我々は進みました。5分くらい行くと、建設が途中で止まったとおぼしきキレイな建物があります。なぜここで工事が止まってしまったのか不思議なくらい、本当にキレイでした。入り口は広くて普通に入れるように見えますが、Aさんは「入らないほうがいい」と僕らを止めます。周囲をぐるっと一回りしたら、中にはお供え物が置かれた金の仏像が見えました。するとAさんがぽつりと、「ここは長居しないほうがいいです」と言い出したのです。もうちょっと早く言ってほしかったな、とこっそり思う僕(笑)。

「嫌な予感しかしません…」

Aさんは何者かから、「1人置いていけ」というメッセージを受け取ったそうです。理由が分かれば、メッセージを発した物の怪(もののけ)の正体も予測がつくのでしょうが、目の前にある建物の工事が止まった理由すら分からないので、誰が言ってるのか見当がつかないとのこと。1人置いていくわけにはいかないからこの場所から去りましょう、とAさんは言います。我々はその言葉どおり、新興宗教の跡地を後にしました。

次の目的地は、本来の目的だった滝不動。Aさんに確認してもらったとおり、滝不動自体は立入禁止です。ただ、この一帯自体が心霊スポットだという情報は、入手していました。

車に乗って移動している最中、たびたび「修行僧がいる」と言うAさん。果樹園前にいたあの修行僧が、我々の先回りをしているというのです。目的地に近づくたびに「あ、またいる。嫌な予感しかしません」とAさんは言います。でも僕は、不気味な感じが一切しませんでした。何か意味があって、我々の旅を先回りしてくれているのではないか。そう感じた明確な理由はありません、何しろ僕には霊感がありませんから。ただ直感的に、そう思ったのです――。(つづく)

原田龍二
1970年生まれ。ドラマやバラエティーで活躍する一方、芸能界きってのミステリー好きとして知られ、近著に『ミステリーチェイサー原田龍二の謎のいきものUMA大図鑑』がある。現在、『バラいろダンディ』(MX)で金曜MCを担当。YouTubeチャンネル『ニンゲンTV』を配信中。

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