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輸入牛肉高騰“ミートショック”が外食産業や庶民の食生活を直撃!

陳列棚に並んだ牛肉
陳列棚に並んだ牛肉 (C)週刊実話Web

輸入牛肉の価格が高騰する〝ミートショック〟が発生し、外食産業や家庭の食卓に影響が広がっている。

その背景には、牛肉の輸出大国アメリカの輸出量の減少があるようだ。

新型コロナが発生した当初、アメリカでは食肉工場の労働者がコロナ休暇を取り、地域によっては3割しか稼働していない工場もあった。しかし、ワクチン接種が進んだことで経済活動が再開され、国策として牛肉の需要が急増した。

「アメリカの国内需要だけでなく、火鍋ブームに沸く中国では、アメリカ産牛肉の輸入量が前年比約3倍になった。加えて、コロナ禍で牛肉輸送用のコンテナが不足し、輸送運賃が倍増。日本は中国に買い負けして輸入量が激減し、国内価格が高騰しました」(豊洲市場食肉卸業者)

農林水産省によると、4月以降にアメリカ市場での牛肉の取引価格が上昇したことで、日本国内の価格にも波及したという。

流通業界は「来年以降も続く」と予想…

「輸入牛肉の国内卸売価格は、5月の段階で1キロあたり1087円と、昨年同月比で67%も高くなっている。その後も輸入牛肉の奪い合いとなり、スーパーでは高騰が続いています」(フードアナリスト)

特に値上がりしているのが、ハンバーグなどに使用する牛バラ肉。コロナ前は100グラム138円ほどだったものが、現在は198円と60円も値上がりしている。

一方、外食チェーンも値上げを余儀なくされている。牛たんが人気のチェーン『ねぎし』では、定番メニューの価格が600円も上がって2450円。牛丼チェーン『松屋』は9月28日から牛めしを60円引き上げて、380円で販売している。

「格安ステーキの老舗『いきなり!ステーキ』と沖縄から上陸した『やっぱりステーキ』などが競合する中、輸入牛肉の値上げはかなり客足に影響します」(食品ライター)

流通業界は「ミートショックによる値上がりは来年以降も続く」と予想している。全国的に広がるミートショックで、庶民の食生活は苦しくなるばかりだ。

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