ユニホームを脱いでからが、本領発揮となるのかもしれない。今季で引退する斎藤佑樹のことだ。
北海道日本ハムファイターズの栗山英樹監督が、今季限りでの引退を決意した斎藤に「最後の花道」を用意すると明かした。最終登板は10月17日、札幌ドームのオリックス戦と発表されたが、相手は優勝争いの真っただ中。主催ゲームとはいえ、セレモニーを行うのは失礼にもなりかねないが、それでも球団は特別な配慮をしたいようだ。
「斎藤に気を使い過ぎ? 営業面ではチーム功労者です。ここ数年、故障と戦い、そこで苦しんでいたのを知っていますからね。労いの意味もあると思います」(地元関係者)
とはいえ、ここ4年連続で勝ち星ナシ。プロ通算11年間で15勝26敗。確かに、特別扱いの感は否めない。
こんな情報も聞かれた。
「引退後も球団に残ってもらいたいようですね。斎藤は頭がいいし、いい意味で野球選手らしくないところもありますので」(スポーツ紙記者)
野球選手らしくないところとは、敬語をきちんと使えることだ。取材記者にムッとした表情を返すこともあったが、普段の会話は基本的に敬語だ。
新球場移転という一大プロジェクトを控える日ハム
「電話対応も丁寧です。同世代の大卒社会人よりもしっかりしています」(同)
こうした〝らしくないところ〟が評価され、「将来のフロント幹部候補」、「ゼネラルマネジャーになれる」と評価されていた。
「先発、中継ぎ、二軍降格、リハビリも経験し、いろいろな角度から野球を見てきました。コーチ業よりも球団の組織作り、営業のことでやらせたら長所も発揮されると思います」(前出・地元関係者)
現時点で引退後のプランは明かされていないが、日本ハムには「2023年の新球場移転」という一大プロジェクトが控えている。まずは営業面で一役買ってもらい、その後、組織論を学んで要職を任せたいと考えているそうだ。
「10月3日の二軍戦で、斎藤はリリーフで打者1人に投じました。肩がまわらず、つらそうな投げ方でした。最後は号泣し、対戦打者にも『ありがとう』と言ったのが印象的で、悔いはなさそうです」(スポーツライター・飯山満氏)
苦しい経験は後の人生で糧となる。数年後、斎藤の編成するチームが新球場で優勝争いを繰り広げるかもしれない。
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