蝶野正洋 (C)週刊実話Web
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蝶野正洋『黒の履歴書』~古舘伊知郎とのYouTubeコラボ裏話

俺のYouTubeチャンネル『CHONO Network』で、古舘伊知郎さんとコラボレーションしたんだけど、この動画の反響が大きかったんだよ。


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古舘さんはテレビ朝日のアナウンサーとして、1977年に新日本プロレス中継番組『ワールドプロレスリング』の担当となり、〝過激な実況〟を展開して一世を風靡した。


俺はプロレスデビューが84年で、注目を浴び始めたのが87年の第3回ヤングライオン杯で優勝してから。ただ、そのあとすぐに海外遠征に行っている。古舘さんがプロレス実況を卒業したのが87年なので、俺とはちょうどすれ違う形になってしまい、俺の試合を古舘さんが実況してくれたことはなかった。そういう経緯があるから、古舘さんは俺にとって憧れのアナウンサーであり、届かなかった人という印象を持っていた。


俺がメインで活躍していた頃の実況アナウンサーは、辻よしなりアナ。ちょっとうるさいというか、古舘さんのマネをしているんだけど、しゃくに障るような部分があった。それは俺だけでなく、他の選手たちやプロレスファンも感じていたと思うから、ちょっと懲らしめてやろうと思って試合中に実況席を襲ったりしていた。だからあれは個人的な恨みではなく、みんなの気持ちを代弁してやったことなんだよ(笑)。


古舘さんは、2004年から『報道ステーション』(テレビ朝日系)を担当して日本を代表するキャスターになり、プロレス界とは縁が切れてしまったと思っていたが、今回じっくり話してみて知ったんだけど、古舘さんは根っからのプロレスファン。実況を離れている間もずっとプロレスを見続けていて、プロレス界の流れはもちろん、俺の試合やキャリアについてもかなり細かい部分まで追ってくれていた。これは本当にうれしかったね。YouTubeの動画では俺の試合を少しだけ実況してもらったので、夢が叶ったし感慨深かった。

「日本プロレス殿堂会」が設立

古舘さん自身もYouTubeチャンネルを持っていて、最近はプロレスラーをゲストに招くと動画再生数が上がるとのことだった。コロナ禍でプロレスファンだった中年世代が家で時間を持て余すようになり、YouTubeを見るようになったというのはあると思う。ネット動画といえば、若者のメディアというイメージが強いけど、そのうちオジサンやオールドファン向けのコンテンツばかりになるような気がするよ。


オールドファン向けといえば先日、「日本プロレス殿堂会」が設立されて、アントニオ猪木さんやジャイアント馬場さんをはじめ、6人の選手が殿堂入りを果たした。ようやく日本にもこうした動きが出てきたのは、素直にいいことだと思う。アメリカのWWEは1990年代から殿堂入り制度を設立していて、選手の肖像権や、過去の試合映像の権利も押さえてレジェンドレスラーたちをビジネスに活かしている。日本の殿堂会も、そのぐらいのスケールで活動できるかどうかがポイントだと思う。