秋の味覚といわれる北海道のサンマとサケだが、どうやら昨年以上の不漁になりそうだ。
「水産庁の漁況見通しによれば、サンマの資源分布量は、漁獲が過去最低に落ち込んだ昨年を上回るものの、水準は低いままで3年連続の歴史的な不漁になりそうです」(漁業情報センター関係者)
全国さんま棒受網漁業協同組合(東京)によると、昨年のサンマ漁獲量は2万9566トンで、30万トンを超えていた2008年~09年に比べると10分の1以下にすぎない。
「今年も8月にサンマ漁が始まりましたが、不漁続きのうえに、市場に回ってくるサンマは細くて脂が乗っていない。飲食店では売り物にならないので、冷凍サンマを使っています」(豊洲市場水産仲卸業者)
イクラは昨年の倍の値段!
サンマ同様に冷たい海水を好むサケも、地球温暖化の影響で昨年同様に不漁続き。イクラの価格も高騰している。
「昨年の今頃は1日に2000匹揚がったサケが、今年は200匹以下です」(漁業ライター)
最近はサケの代わりにブリが北上し、函館では過去平均の34倍と大漁が続いているが、道民にはあまり縁のない魚。ブリの消費量は全国平均の2分の1と少ない。
サケに関しては日本だけでなく、ロシア、米国、アラスカ、ノルウェーなどから大量に輸入されているため、不漁でも値段はさほど変わらなかったが、昨年あたりから多少は値が上がり始めている。
「問題はイクラです。イクラは日本産の方が質は上。ですが、100グラムあたり1200円と昨年の倍に高騰しており、下がる見通しが立っていません」(同)
食欲の秋といえども、熱いご飯にイクラをのせて食べる喜びは、そう簡単に味わえそうもない。