JRA重賞『オールカマー』（GⅡ）映画評論家・秋本鉄次の“ざっくり”予想！

先週のローズSは、軸に狙った岩田パパのタガノパッションもルメールのクールキャットも轡（くつわ）を並べて二桁着順に終わり、2着に入ったエイシンヒテンも買っておらず、これはもう完敗に近く、言い訳無用の結果となった。

たとえセントライト記念を選んでいたとしても、勝ったアサマノイタズラなんかハナから買う気がなかったからやっぱり大外れだったろう。東京都では感染者激減で、10月から緊急事態宣言解除か？　という〝朗報〟が噂される中、何ともヒドい3連休になってしまった。

で、今週も東西の重賞で迷うところ。普通ならダービーの馬連＆3連複を取らせてくれて、おまけに当欄に時々登場する馬友S氏のペーパーオーナー馬でもあるシャフリヤールが満を持して出陣する神戸新聞杯を狙うべきところだが、何かメチャクチャ堅そうな気がする。少頭数でもあるし、シャフリヤールの頭は鉄板、鞍上の福永も中京競馬は絶好調だけあって鬼に金棒。相手も上位人気の2、3頭で十分。でも、つかないだろうなあ…。いっそ万単位でブチ込んで大勝負したろか…そんなのハイリスク・ローリターンすぎて、できない芸当の齢である。まあ、ここは〝観るレース〟ですなあ。買うかも知れないけれど…。そこで多少なりとも荒れそうなオールカマーで行こう。こちらも大本命馬レイパパレがいるとはいえ、相手は5～8頭ぐらいいそうだし、そこから絞る作業が楽しそう。まずまずの好配当になるなら幸いだ。

一番見たいのは“牝馬卍レズ馬券”！

前走宝塚記念組が強いレースで、今回は2頭出走。宝塚3着で初めて土がついた前出のレイパパレは〝負けてなお強し〟の印象もあり、ここでは貫禄を見せるのではないか。もう1頭のアドマイヤアルバは宝塚で12着。宝塚凡走からオールカマーでは馬券圏内に奮闘した穴馬は何頭かいるが、二桁着順からはこの10年いないので、さすがに印は回せない。相手筆頭はデムーロが乗るグローリーヴェイズ…と言いたいところだが、香港帰りがどう出るか？　むしろ最近のこのレースでのトレンドである牝馬を狙いたい。もとより〝牝馬の鉄〟を自称しているだけに望むところ。絶好調・戸崎のランブリングアレー、こちらも関東リーディング爆走中と好調の若手・横山武が乗るウインマリリンもからんできての〝牝馬卍レズ馬券〟となるのが一番見たい光景だが、前出のグローリーヴェイズに加えた6歳牡の大野サトノソルタス、横山和のステイフーリッシュを騎手の魅力とともに加えたい。

さて〝映画馬券〟は、ランブリングアレーからランブリング繋がりで『ランブリング・ローズ』（91年）はどうか。〝ランブリング〟は、ぶらぶらと歩く、締まりがない、のことだが〝身持ちが悪い〟という意味もあり、平穏に暮らす一家に家政婦としてやってきた若い娘ローズのキャラも示している。実は性欲過多の彼女の起こす小トラブルにも優しく対処する一家の姿が描かれているのだ。〝性欲過多の家政婦さん〟という設定に、観る前はロマンポルノか、〝青い体験〟シリーズか、との妄想を逞しくしてしまうが（僕もその1人だった）、ヒロインのローラ・ダーンの伸びやかな肢体やあるがまままの自然体の姿が眩しく映り、多様性を認める方向の現代にも通じる異色のファミリードラマの秀作であった。この作品でローラはオスカー・ノミネートもされたほど。

最終的な買い目は…レイパパレから牝馬2頭への馬連①⑫、⑥⑫を厚目に、縦目①⑥も入れて、⑫から⑧⑪⑯も。3連複は⑫から①⑥⑧⑪⑯へ。牝馬3頭の〝卍レズ馬券〟①⑥⑫は厚目に。以上、馬連6点、3連複10点でいかがでしょうか。

秋本鉄次
映画評論家。〝飲む・打つ・観る〟〝映画は女優で観る〟をモットーに、娯楽映画、中でも金髪女優の評論にかけては業界随一。著書に『パツキン一筋50年　パツキンとカラダを目当てに映画を見続けた男』（キネマ旬報社）など。