自民党総裁選真っただ中。今回の総裁選でもう1つ注目を集めているのが総裁選史上、女性候補が初めて複数立候補したことだ。
高市早苗前総務相と野田聖子幹事長代行の2人。推薦人が集まらず苦戦していた野田氏は、告示日前日の16日夕方になっての駆け込み出馬となった。
裏事情を自民党幹部が明かす。
「野田氏をかわいがっていた二階幹事長が8人の二階派議員を推薦人につけたことで、何とか間に合い四度目のチャレンジで初めて土俵の上に立てた。しかし、野田氏が本番1回目の投票で、どこまで国会議員票を獲得できるかはまったく持って不透明。なぜ、二階幹事長は野田出馬を手助けしたのか、そこに総裁選最大のポイントがある」
同幹部が続ける。
「今や陰の自民党最大の実力者である安倍前首相の本命は岸田文雄前政調会長だ。表向きは高市氏を全面バックアップしているが、それは岸田氏を総理にするために周到に練った作戦だ。つまり、決戦投票なら岸田対河野の一騎打ちとなる公算が高い。その決戦に備え高市氏に保守系票を集めさせ、最後に河野氏を破るというのが安倍大作戦だ」
その策をいち早く見抜いたのが二階幹事長だ。安倍前首相の入れ知恵か、岸田氏は二階幹事長切りに打って出た。結果、二階氏は幹事長職を追われるハメに。
小池百合子都知事の背中を見ている2人
「二階氏は岸田政権阻止のため、高市氏に集まる票を分散させたい。決戦投票では河野・野田ラインで岸田・高市ラインを蹴散らす。そして、河野政権誕生に持ち込むわけです。野田氏は女性票にターゲットを絞り、動いている。さらに、野田陣営の切り込み隊長には菅首相側近の三原じゅん子厚労副大臣をつけた。男性議員のハートを狙い打ちするともっぱらだ」(同)
高市VS野田の「女の戦い」は安倍VS二階の代理戦争第2ラウンドともいえるのだ。陰で代理戦争といわれながらも、なぜ2人は立候補したのか。
「代理戦争といわれようが立候補するのは、今回は無理でも、いつかは日本初の女性総理になりたいのが彼女たちの本心です。高市氏が60歳で当選8回、野田氏は61歳で当選9回。ほぼ経歴も年齢も同じ。まだこれから二度、三度の総裁選挑戦は可能。彼女らは一歩先を行く小池百合子都知事の背中を見ている。小池氏をいつか抜き去りたいのでしょう」(自民党長老)
女性2人の総裁選出馬にピリピリしているのは、他ならぬ小池都知事。
「小池氏は国政に戻りたいと焦っている。彼女も日本初の女性総理を狙っている。後輩に抜かれるわけにはいかないのです」(自民党関係者)
総裁選は2倍楽しめる。
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