先ごろ、BPO(放送倫理・番組向上機構)・青少年委員会が〝痛みを伴うことを笑いの対象とするバラエティー番組〟を精査し、今後は審議の対象にしていく方針を明らかにした。詳細なことは決まっていないが、対象番組になるのはキー局で制作したバラエティー番組だ。
「BPOは中高生モニターに対して行ったアンケートや面接調査を実施。結果、出演者に痛みを伴う行為を仕掛け、それをみんなで笑うような、苦痛を笑いのネタにする各番組は『不快に思う』、『いじめを助長する』などの意見が継続的に寄せられたといいます。これを踏まえ、委員会は『複数の番組を視聴し今後、審議の対象にすることを決断した』としています」(芸能記者)
この見解に対し、激震に見舞われたのが日本テレビだ。名指しこそされなかったが、〝対象とするバラエティー番組〟として、誰もが真っ先に思い浮かべるのが、年末大みそか恒例の『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!笑ってはいけない』シリーズ。同番組は「絶対に笑ってはならない」をルールに、もし笑ってしまった場合は棒でお尻を叩かれる罰ゲームが売り。メインとなる出演者は『ダウンタウン』の松本人志と浜田雅功、『ココリコ』の遠藤章造と田中直樹、月亭方正の5名だ。
「この5人を笑わそうと、普段はバラエティーなどに出たこともない大物俳優、大御所歌手、モデル、タレントたちが〝笑いの刺客〟として変顔やダンス、下ネタを披露するのです。あまりのギャップにメンバーが吹き出してしまうと『○○アウト』の声とともに刺客軍団が出てきてケツバットを見舞うんです」(関係者)
出稿したいクライアントは多かったが…
同番組の制作費は毎回、1億円を軽く超えていたという。
「明らかにBPOの見解が影響したのでしょう。今年は『笑ってはいけない』を完全リニューアルすると発表しました。しかし、日テレにしてみれば10倍以上の収益がある同番組。毎回、世帯視聴率15%前後を維持し、民放ではずっと1位をキープ。6時間以上の長尺番組ながら出稿したいというナショナルクライアントは多かった。さらに、Huluでの配信やブルーレイ販売など二次的利益をもたらすのです。出演者のギャラだけで3000万円を超えますが、簡単に回収できる超優良コンテンツですからね。簡単に〝休止〟というわけにはいかないでしょう」(前出の芸能記者)
〝対策〟として、ケツバットの代わりに〝コチョコチョ攻撃〟のくすぐりや、息を耳に吹きかける〝フーフー攻撃〟、さらにギャラ没収などが行われるというウワサもあるが…。何はともあれ、大みそかが楽しみだ。
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