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河野太郎“総理総裁”を担ぐ「ガースー&ポエム&オタク」に暗雲…

河野太郎
河野太郎 (C)週刊実話Web

9月29日投開票の自民党総裁選は、いよいよラストスパートの段階だ。

頭ひとつリードしているのは、河野太郎ワクチン担当相と岸田文雄前政調会長だ。だが、ここにきて河野支援の最強トリオと思われた「ガースー」(菅義偉首相)、「ポエム」(小泉進次郎環境相)、「オタク」(石破茂元幹事長)の「GPO」に思ったほどの影響力がなく、岸田氏に追い風が吹いているという。

まずは総裁選の最新情報を政治部記者が解説する。

「ポスト菅の世論調査(朝日新聞11、12日)では河野氏が33%でトップ、次に石破氏16%、岸田氏14%、高市早苗前総務相8%、野田聖子幹事長代行3%だった。他の世論調査でも軒並み1位、2位は河野、石破の両氏だが、石破氏は不出馬で河野支持に回った。ここに菅首相と人寄せパンダの小泉環境相も河野支持を宣言したため、一時は投票前から河野氏の総理総裁は決まったかの雰囲気があった」

というのも、総裁選は1回目の投票は国会議員382票、地方の党員・党友382票の合わせて764票で争われる。1回目でトップが過半数を超えれば、それで決まりだ。世論調査で河野、石破のワンツーコンビが手を携えたのだから、1回目で河野氏が過半数を獲得し圧勝すると見るのも当然だ。

「ここにきて様相が少し変わってきた。河野氏を支える菅、石破、小泉3氏の人気が意外にも凋落傾向で、地方票が伸び悩んでいる。1回目で過半数に達しない可能性が高くなっている」(同)

岸田支持の自民党幹部も鼻息を荒くする。

「確かに、菅、石破、小泉のGPOトリオはここにきて評価がガタ落ちだ。不人気で退陣する首相が河野支持を掲げても党員・党友、国会議員はシラーッだ」

小泉“セクシー”進次郎では人は動かない…

菅首相の不人気は分かるが、石破氏の人気は相変わらず高い。とても先の記者が言うように「凋落」にはほど遠いとも思える。

「岸田氏は8月の早い段階で出馬宣言し、全国の党員・党友に自身の必要性を熱心にアピールしていた。一方、石破氏は9月15日までズルズルと態度を引き延ばした。今の世の中、ネット社会で情報は早い。石破氏は『自派内からも離反者が出て推薦人20人が集められず出馬できない』という話が地方に拡散した。石破氏に失望感が広がり、地方からは『潔くない。鉄道オタクは終わった』という声がしきりに囁かれている。石破氏が支援する河野票は伸びないはず」(同)

小泉人気はどうか。

「進次郎は総理総裁にしたい候補ナンバーワン当時の勢いはない。それは環境相就任直後、外交デビューした2019年9月の国連気候行動サミットで『気候変動問題はセクシーであるべきだ』と発言し、国内外から『何を意味しているか不明』『ポエム』と大バッシングされた。要は、問題を理解せず説明能力不足が露呈したわけです。そこに複数女子アナ交際説や女性実業家などとの下半身ネタが噴き出し、人気は落ちつつある。その彼がいまさら『改革には河野』と叫んでも人は動かない」(同)

「最強支援者」になるはずだった3人が見込み違いとなれば、河野氏は他力本願ではなく「政策」で勝負していくことになる。

金融系シンクタンク関係者が指摘する。

「河野氏は福島第一原発事故以降、脱原発の立場を鮮明にしてきた。今回は総裁選を睨み、条件付きながら再稼働容認に転換した。気候変動対応のため、政府は『2050年までに温室効果ガス排出ゼロ達成』を目標に掲げている。河野氏は実現に向け、太陽光など再生可能エネルギーを最大限活用し、それでも電力が不足する場合、原発再稼働するとしている。経済界では電力安定供給には原発積極活用が欠かせないとの論が根強い。経済界は河野発言を信用していませんよ」

閣僚ポストをぶら下げてのニンジン作戦

対する岸田氏は、脱炭素社会の実現へ再生エネルギーの必要性を認めつつも、『1本足打法』では日本のエネルギーは危ういとし、河野氏より一歩踏み込んで原発利用に前向きだ。

「岸田氏は経団連の十倉雅和会長との面会を重ねるなど財界にも積極的にアプローチしている。原発ムラ、建設業界などは岸田氏のバックに安倍晋三前首相がいると見ている。また、安倍前首相が掲げる憲法改正にも賛成している。こうした動きは党員・党友票にも影響を与えるでしょう」(同)

総裁選は佳境に入り、両陣営とも閣僚ポストをぶら下げてのニンジン作戦を展開中だ。

「河野政権なら二階俊博副総裁、石破幹事長、武田良太政調会長、小泉官房長官、新設する子ども庁長官に野田聖子氏、若手グループ『党風一新の会』の代表世話人・福田達夫氏は外相に大抜擢という話が飛び交っている。一方、岸田総理なら麻生太郎副総理兼財務相留任、甘利明幹事長、高市早苗官房長官、梶山弘志政調会長、石原伸晃総務会長、茂木敏充外相留任などの人事案が出ている。しかし、最後はカネだ。噂されているのは二階幹事長が握るとされる機密費約60億円。最後の決戦でどう投入されるか…」(自民党秘書)

決戦投票なら最後の1票まで読めない大接戦も、十分にあり得る。

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