新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、温泉やスーパー銭湯などの温浴施設は集客に苦心しているが、一方でサウナ好きを自称する「サウナー」が急増しており、空前の〝サウナブーム〟が起きている。
『一般社団法人 日本サウナ・温冷浴総合研究所』によると、月に1回以上はサウナを利用するサウナーは、国内で約1000万人(推計)に上るという。
ブームのきっかけは2015年から青年コミック誌『モーニング』で断続的に連載されている『マンガ サ道~マンガで読むサウナ道~』で、いまやサウナ界のバイブルとなっている。
マンガでおなじみの「ととのったー!」と昇天するシーンに憧れ、サウナにハマる若者は数知れず。同作は19年に『ネプチューン』の原田泰造主演でドラマ化され、今年7月から新シリーズ『サ道2021』(テレビ東京系)が放映されている。
貸し切り会議「サウナミーティング」も流行
「サウナの効能は多々ありますが、極限まで体を温めて急激に冷却すると、不安を軽減させる脳内ホルモンβ-エンドルフィンや多幸感をもたらすオキシトシン、精神を安定させるセロトニンが分泌されるといわれています」(精神科医)
脳の疲労にも効果的とされ、クリエイティブ系の業種を中心に、グループでサウナを貸し切って会議を行う「サウナミーティング」も流行中だ。
「サウナで五感が研ぎ澄まされると、思考が整理されアイデアが浮かびやすくなります」(40代会社員)
サウナブームはとどまるところを知らず、大自然の中や都心のビルの屋上などの「新感覚サウナ」や、24時間利用できる「個室サウナ」などが相次いで登場している。
一度ととのったら抜けられない〝サウナ沼〟に、どっぷり浸かってみてはどうだろうか。