農林水産物や食品の輸出額目標として、農林水産省は「2025年までに2兆円、30年までに5兆円」という壮大な数字を掲げている。実際に20年における輸出額は9223億円で、過去最高を更新した。
「でも、あと4年で約2倍増はきつい。コロナ禍で前年からの伸び率は1.1%にとどまっていますから」(生活消費ライター)
同省が公表している「農林水産物輸出入情報」には、約200品目の輸出品データが記載されているが、個別品目で対前年比の伸びが最も高かったのは、なんとインスタントコーヒーだった。
コーヒー文化になじみが薄い国へ
「コーヒーに関して輸出は輸入の10分の1以下にすぎません。とはいえ相手国はロシア、中国、米国の順で、輸出量は前年に比べ3.06倍と、その伸びには目を見張るものがある。ロシアや中国というコーヒー文化になじみが薄い国への輸出が、上位に来ているのが興味深い」(同)
ちなみに、ロシアには「国民は政府に何を言ってもいいが、食料問題は自分で解決せよ」というジョークがある。中国は「何を食べてもいい(コウモリだって)が、口は慎め(政府を批判するな)」である。