社会

橋下徹氏に総選挙“電撃出馬”説! 自民と維新の大連立で「総理大臣」の目

橋下徹
橋下徹 (C)週刊実話Web

コロナ対策迷走の末、首相の伝家の宝刀「解散権」は自民党内の反発で封じ込められた。

巻き返しの党役員人事でも身動きが取れなくなった菅義偉首相が総裁選不出馬を決断したことで、政界は大混乱に陥っている。

そんな中、元大阪市長の橋下徹氏が今秋に行われる総選挙に日本維新の会から電撃出馬するという情報が、永田町で一気に駆け巡っている。橋下氏周辺関係者によれば、「菅首相から誰に代わっても、自公での政権運営は困難。維新が連立入りする絶好の機会、ひいては維新が日本の政治を動かせるチャンスもガ然、高まった。橋下氏が一気に政界復帰する気配を見せている」と言うのだ。

橋下氏といえば、6年前の2015年まで大阪府知事、大阪市長を歴任、大阪の大改革で辣腕を振るい、全国から注目を浴びたご仁。国政政党、日本維新の会の創設者でもある。

「大阪市長退陣後、テレビコメンテーターとして政治に厳しい意見を吐き、お茶の間の知名度は高い。政界復帰は『2万%ない』が口癖。しかし、今年5月にはテレビで『与党の力を最大限に使いながら日本を動かす。そういう野党を作りたかった』との思いを述べるなど、政治への思いは今も人一倍強い。そのため〝タイミングを見計らっての政界復帰はあり〟が政界関係者の見方でした」(全国紙政治部記者)

機を見るに敏な橋下氏に総選挙出馬説が流れたのは、菅首相退陣が報じられた9月3日直後から。選挙区は東京だという。

「橋下氏と維新の松井一郎代表の2人は、官房長官時代から菅首相と〝ガースー〟、いやツーカーの間柄だ。大阪万博開催も菅首相の尽力の賜物。急転直下、総裁選不出馬を決めた菅首相だが、決断に至るまでは橋下氏らにもアドバイスを求め連携を模索していたと言われている」(自民党関係者)

政策ごとに連携する部分連合に含み

仮に、菅首相が総裁選に勝っても総選挙では大敗する可能性が大いにあり、自公で政権維持が厳しいことが想定されていた。その場合には「維新に連立に加わって欲しいと懇願していた」(同)と囁かれている。

「松井代表は大阪市長任期の2023年4月で政界引退を公言している。菅首相は『橋下氏自身が国政に打って出て、橋下維新で連立を』と説得していたようだ。風雲児の橋下氏のこと。次の総選挙出馬への意欲を固めつつあった」(同)

根拠はある。馬場伸幸・維新幹事長の発言だ。馬場幹事長は8月22日に放送されたBSテレ東番組で、次期衆院選の結果を踏まえ、自民、公明両党と政策ごとに連携する部分連合に含みを持たせる発言をして注目を集めていたのだ。

「この馬場発言と菅首相が橋下氏に出馬打診をしたといわれる時期が合致するという証言もある」(同)

政界消息筋が続ける。

「菅首相の退陣で橋下氏の政界復帰への動きはストップか、とも一部で捉えられているが、全く逆。橋下氏の腹は一気に総選挙出馬へ傾き始めたと言われている。菅首相の不出馬で岸田文雄・前政調会長を軸に総裁選レースは繰り広げられる。誰が次期政権を担っても一連の安倍、菅と続いた負の遺産やコロナ対策の迷走は引き継ぐことになる。橋下氏は次の総選挙で自民大敗の流れは変わらないと踏んでいるんです。つまり、自公で過半数維持が難しい局面は必ず出てくる。だから〝新生維新〟が是々非々で政策ごとに自民中心の政権維持に貢献するという流れに行き着く」

ここで、次の衆議院の各党議席予測を最新世論調査の結果を踏まえて整理してみよう。

1993年の細川連立内閣のように…

まずは8月11日現在で衆議院議席は465議席(欠員3議席)。自民党276、立憲民主党113、公明党29、日本共産党12、日本維新の会11、国民民主党11、無所属10。過半数は233議席で、自公の議席は305議席と圧倒的多数を占めている。

「菅政権は昨年9月の発足時、支持率は各マスコミの世論調査で65%から70%の高水準だった。しかし、後手後手のコロナ対策などから直近の8月には支持率26%(毎日新聞調査)などと危険水域に陥り、菅首相の地元である横浜市長選では側近の前閣僚が落選するほどの不人気ぶり。さらに、自民党が8月に実施した極秘世論調査でも総選挙を行えば自民党は40議席から最大70議席マイナス、また別の調査ではマイナス72議席から73議席という衝撃の結果が出た。73議席マイナスなら自公で過半数を割る232議席の緊急事態。このため菅首相は橋下維新に期待をかけ、最悪のケースでも自民党連立政権維持を模索し始めたのでしょう」(政治担当デスク)

先の維新の馬場幹事長は、次の総選挙の獲得目標を単独で法案が出せる「21議席が最低ライン」と強気の発言をしていた。

「自民党はマイナス73より傷口が広がる可能性も捨てきれない。一方、橋下氏が出馬に踏み切るなら、橋下維新への国民の期待は膨らみ、21議席どころか30~40議席と飛躍しても不思議ではない。その先には、政権交代が起きた1993年の細川連立内閣のように、橋下総理の目さえ出てくる」(維新関係者)

93年の衆院選で細川護熙代表率いる日本新党は35議席を獲得し、大躍進。非自民による連立政権が誕生した。現在の二階俊博・自民党幹事長と小池百合子・東京都知事は、一大旋風を巻き起こした細川連立政権に参画している。

橋下維新で歴史は繰り返されるか。

あわせて読みたい