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JRA重賞『新潟2歳S』(GⅢ)映画評論家・秋本鉄次の“ざっくり”予想!

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先週の札幌記念は、馬連を取るには取ったが、投資の6分の1も戻ってこないのだから、完敗に近い〝大トリガミ大会〟だろう。

せっかく店を開いても大出血では、「このコロナ禍でお酒も出せないし、開けても赤字続きでアホらしい」と嘆く飲食店主の気持ちにさも似たり? とボヤいたら「アンタみたいにご気楽な人と同類にされたくないヨ。こっちは必死なんだから…」と言われそう。誠に申し訳ありませんでした。

振り返ればラヴズオンリーユー軸は間違っていなかった。「無視とはいかないだろうソダシも念のため(先週の文中)」と入れて何とか取れたとはいえ、馬連470円じゃあ、損失補填にもなりゃしない。ひとえに、ソダシを軽視した自分のせいです。「個人的には、単なる早熟馬か、マイルまでの馬か、と思いたくもなる(先週の文中)」と書いたのだから言い訳無用ですな。ソダシ、いやあ素敵に強かった。単なるアイドルホースじゃなかった、ということ。恐れ入谷の鬼子母神、びっくり下谷の弘徳寺だね。洋芝巧者というだけではなさソダシ(苦し紛れのオヤジギャグ)、2千までならこれからも重賞で通用しそう。おまけに3着に来たペルシアンナイトはガン無視したのだから、3連複も取れる訳がない。昨年2着馬だけど、テッポウ駆けしない馬だからなあ、という先入観が上回ってしまった。おまけに、狙ったトーラスジェミニ、ステイフーリッシュ(せっかく千葉真一の訃報に絡めたのに)が競走中止という暗転…ガックリであった。

という訳で、今週は気分を変えて、新潟に〝転戦〟。さらに気分を変えて、2歳重賞を狙ってみたい。というのは、新馬で強かったアライバルを応援したくなったからだ。その新馬戦で乗ったルメール御大が、避暑気分で主戦場にしている北海道からわざわざ暑い新潟に遠征しての連続騎乗だし、使い詰めできない馬らしく毎回が勝負がかりで今回も全力投球、と聞けば、ここはぜひ勝利して、余裕を持って今後のGⅠ戦線に備えてほしいと思うではないか。

SF映画『アライバル』にあやかって“征服”を!

相手はこちらも川田が連続騎乗するほどの大物感ありのセリフォス、北九州記念をヨカヨカで制覇した絶好調の幸も今回と同じ新潟マイルの新馬戦を圧勝したオタルエバーに連続騎乗している。加えればクレイドルの福永も、クラウンドマジックの岩田康も連続騎乗組だ。乗り替わり組ではセリフォスを選んだ川田からご贔屓の松山騎乗のスタニングローズにも期待したい。さてアライバル軸のヒモ5頭、計6頭の共通項は何? ジャジャ~ン、答えはすべて前走がマイル戦でした。他の6頭はマイル以外。他距離よりもマイル連続出走馬が優位と信じたい。実に分かりやすい。シンプル・イズ・ベスト! 丸山が連続騎乗のウインピクシスも実は気にはなるのだが、グラマー好きのボクとしては小柄な牝馬はどうもタイプではないので敢えてスルーし、加えて、前哨戦と一応位置付けられているダリア賞組2頭もデータ的に奮わないので無視させて頂く。

さて〝映画馬券〟だが、わが本命馬アライバルと同名のSF映画『アライバル 侵略者』(96年)はどうか。異星人による地球侵略の事実を掴んだ科学者が体験する恐怖を描いたSFサスペンスで、主演はチャーリー・シーンだった。気象を操って人類滅亡をたくらむ異星人相手に、この科学者の弟が兄の遺志を継いで奮闘する後日談のような続編『アライバル2』(98年)も作られた。競走馬のアライバル君も、ぜひ新潟2歳Sを〝征服〟してほしいものだ。

最終的な買い目は…馬連&3連複ともアライバル⑧から①②⑤⑥⑦へ、アライバルが展開のアヤとかで3着に落ちる可能性もわずかに考えて(本来は考えたくないが、小心者なので)、縦目でセリフォス①から馬連②⑤⑥⑦を少々。以上、馬連9点、3連複10点でいかがですか。何はともあれ、未来のGⅠ馬へ夢を馳せたい!

秋本鉄次
映画評論家。〝飲む・打つ・観る〟〝映画は女優で観る〟をモットーに、娯楽映画、中でも金髪女優の評論にかけては業界随一。著書に『パツキン一筋50年 パツキンとカラダを目当てに映画を見続けた男』(キネマ旬報社)など。

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