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六代目山口組直参たちの法廷闘争――「譲れない信念」を激白!

8月4日、東京と愛知でそれぞれ六代目山口組直参の注目の裁判が開かれた。

名古屋地裁一宮支部では、身分を隠して組員にマンションの一室を借りさせたとする詐欺罪に問われた北島虎・二代目杉組組長(愛知)の公判が行われた。逮捕された際の取り調べで北島組長は黙秘を貫いたというが、裁判では一転、罪を認めた。ただ「法に触れてやろうと思ったわけではない」とし、生活に困窮する知人を助けるためだったと主張。共犯者とされた組員に関しても「組員登録していない」とし、警察当局と検察の思惑がうかがえたのだ。

「本来、警察による構成員の認定は盃関係があるか無いかだが、昨今では組長と行動を共にしたり、事務所に出入りするだけでも、警察は組員とみなす場合がある。それもサジ加減であり、誰もが不起訴になると思っていた今回の事件では、逮捕後に共犯者を組員であると強引に位置づけて、起訴に持ち込んだとみている」(業界ジャーナリスト)

被告人質問の中で、北島組長は、こう心情を述べた。

「私が今の世界に入った二十歳くらいのときは、我々も警察官と一体になって一生懸命やっていた。今のように警察官だけで国の治安を守れて、我々は不必要な存在だと思われても、都合が悪いからといって辞めるわけにはいかない」

〝不条理な現実〟を受け止めながらも、任俠界に生きる信念をうかがわせた。

検察側は懲役1年6月を求刑。8月10日の判決公判では、起訴事実を認めている点や前科が35年前である点が考慮され、懲役1年6月、執行猶予3年が言い渡されたのだった。

検察の“違法行為”を指摘する事態に発展

一方の東京地裁では、貸金業法違反と出資法違反の罪に問われた新井錠士・二代目章友会会長(大阪北)の差し戻し審が行われた。この事件は、無登録で貸金業を営み、被害者とされる建設会社役員から法定外の利息を受け取ったとするもので、一昨年3月に東京地裁が懲役3年、罰金1800万円、執行猶予5年の判決を下した。しかし、弁護側が控訴し、昨年1月に東京高裁は1審判決を破棄して差し戻しを命じていた。

この日、検察側は「厳罰が求められる」として、1審と同じ懲役4年、罰金2000万円を求刑。すると、弁護側が検察の〝違法行為〟を指摘する事態に発展したのである。

「検察側は控訴していないにもかかわらず、1審判決を超える量刑を求めたため、『原則に反する違法行為』だと語気を強めて指摘したのです。それを受け、裁判長と検察側は慌てた様子で、急きょ一時休廷になりました」(傍聴した記者)

再開後も、弁護側の「被告人を守るため弁護士は多少オーバーな言動をすることはあっても、捜査権を持つ検察にそれがあってはならない」という抗議の末、1審判決と同様である執行猶予付きの求刑となった。

一連のやりとりを微動だにせず見守っていた新井会長は、裁判長から言葉を求められると、「私の六代目山口組直参という立場ではなく、その行為と法廷で出された証拠によって、厳正に判断を下していただきたい」と淡々と述べ、証言台をあとにした。

北島組長と新井会長の公判内容はまったく異なるが、それぞれの譲れない信念が法廷で示されたといえる。

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