JRA重賞『札幌記念』（GⅡ）映画評論家・秋本鉄次の“ざっくり”予想！

先週の関屋記念は、また天を仰ぐ結果となった…嗚呼。

堅いと思われた軸のソングラインは3着とはいえ、馬券圏内は確保した。それはそれで〝最低限の仕事はした〟ということだろう。勝ったロータスランドも想定内と言える。問題は2着のカラテである。思えば先週「実はこのレース（中略）外の7、8枠が有利」と記し、8枠は無視、7枠の馬を重視とし、それでクリスティ、ミラアイトーンは買ったのに、もう1頭のカラテをヌケにするというポカを演じて馬券はハナもかめない紙くずでパア。7枠必須を徹すれば良かったのにね。五輪で日本の空手勢が大活躍してたじゃん（〝空手界の綾瀬はるか〟と呼ばれた清水希容選手も銀メダル獲得で話題になった）…と時事ネタ馬券を後でブツブツ独り言っても、遅かりし由良之助…である。

そんなわけで気を取り直して、今週はGⅠ級の豪華メンツが揃って行われる札幌記念を狙いたい。ここは先週や先々週のガミ分を取り戻したい気分で溢れている。真っ先に検討すべきなのは〝白い恋人〟〝アイドルホース〟のソダシの取捨だろう。キャラ的にはホッカイドウが似合いそうだが、はてさて。桜花賞まで無敗で、2冠を狙ったオークス、断然一番人気でまさかの8着に敗退とは？　勝ち馬ユーバーレーベンからコンマ6秒は許容範囲なのか、決定的差なのか微妙ではある。個人的には、単なる早熟馬か、マイルまでの馬か、と思いたくもなる。

おそらく1、2番人気を分け合うであろう④ラヴズオンリーユーが代わっての主役候補か。若いソダシより熟女のラヴズに思い入れるボクである。香港でGⅠを勝って参戦の過程は堂々たるものがあるが、鞍上・川田も含め、安定性があるかどうか、が焦点だろう。一応軸とし、相手にクイーンSでお世話になった②サトノセシル（大野からルメールに乗り替わりは鞍上強化と今回言えるのかは微妙だが）、戸崎が新潟残留で乗らないけど⑤トーラスジェミニ、一昨年の覇者再びの⑫ブラストワンピース、洋芝得意の⑥バイオスパーク、京都記念でラヴズとコンマ2秒に食い下がり、札幌は走りそうな①ステイフーリッシュ、そして無視とはいかないだろう⑬ソダシも念のため。縦目もありそうなので、それもしっかり押さえようと思う。

千葉真一を偲んで①ステイフーリッシュ

さて〝映画馬券〟だが、それよりも何よりも《千葉真一、コロナに死す！》の訃報に驚きを隠せない。82歳と高齢だけに〝哀しい知らせ〟は想定内とはいえ、よりによってコロナ死…とは！　志村けん以上の衝撃であった。ワクチンを打っていれば、といまさらレバタラを言っても詮無いが、残念でらない。今回の報道ではあまり触れられていないが、代表作は我々の世代なら何と言っても『仁義なき戦い　広島死闘篇』（73年）の〝暴力のお化け〟大友勝利役だろう。暴れまくりの果て連打される「ワシらあ、うまいモン食うてよ、マブいスケ抱くために生まれてきとるんじゃないの。お～ん」などの下品極まる名セリフ群が強烈で、リアルタイムで観ている者として、当時シビレまくったっけ。良い意味で生涯〝映画バカ〟〝活劇バカ〟だった千葉チャン。昔、彼の初監督作で人食い羆との闘いを描いた『リメインズ　美しき勇者たち』（90年）の際にインタビューしたことがあるが、映画における男の夢、ロマンを滔々と語っていた。そんな千葉真一を偲び、〝馬鹿のままでいろ〟と訳せるステイフーリッシュに想いを馳せたい。千葉真①枠だしね（笑い）。

最終的な買い目は…馬連＆3連複とも④から①②⑤⑥⑫⑬へ、縦目で馬連＆3連複①②⑤⑫。以上、馬連12点、3連複19点と少々目が多くなるが、夏競馬の大一番だし、少し勝負気配の気分だし、お許しあれ！

秋本鉄次映画評論家。〝飲む・打つ・観る〟〝映画は女優で観る〟をモットーに、娯楽映画、中でも金髪女優の評論にかけては業界随一。著書に『パツキン一筋50年　パツキンとカラダを目当てに映画を見続けた男』（キネマ旬報社）など。